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  1. 鹿児島県議会 2003-10-07
    2003-10-07 平成15年第3回定例会(第8日目) 本文


    取得元: 鹿児島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1  午前十時開議    △ 開  議 ◯議長(溝口宏二君) ただいまから、本日の会議を開きます。  本日の日程は、配付いたしております議事日程のとおりであります。       ━━━━━━━━━━━━━  議 事 日 程  一、開  議  一、決算特別委員会の委員長及び副委員長の互選結果    等報告  一、議案第九二号から議案第一一二号まで及び報告第    四号並びに請願・陳情の一括上程  一、同右議案等の委員長報告、質疑、討論、表決  一、閉会中の継続審査の件  一、意見書案の一括上程、提案理由説明、質疑、討論、    表決  一、議員派遣の件    ─────知事あいさつ─────  一、閉  会
          ━━━━━━━━━━━━━    △ 決算特別委員会正副委員長互選結果等報告 2 ◯議長(溝口宏二君) 御報告いたします。  まず、さきに設置されました決算特別委員会の委員長及び副委員長については、互選によって、委員長尾辻義君、副委員長上村勝行君に決定した旨の報告がありました。  次に、去る九月三十日、鹿児島県監査委員から、平成十五年度定期監査前期の結果に関する報告がありました。  また、昨日、人事委員会から、職員の給与等に関する報告及び勧告がありました。  これらの内容につきましては、各位に配付いたしておりますとおりであります。  以上で報告を終わります。       ─────────────    △ 議案第九二号―議案第一一二号、報告第四号、      請願・陳情上程 3 ◯議長(溝口宏二君) 次に、議案第九二号から議案第一一二号まで及び報告第四号並びに請願・陳情を一括議題といたします。       ─────────────   △ 各常任委員長審査結果報告、質疑 4 ◯議長(溝口宏二君) これより、委員長の報告に入ります。  まず、企画建設副委員長の報告を求めます。  前原尉君。    [企画建設副委員長前原尉君登壇] 5 ◯企画建設副委員長(前原 尉君) 企画建設委員会での審査結果等について御報告申し上げます。  初めに、当委員会に付託されました議案第九二号など議案六件及び専決処分報告一件につきましては、いずれも原案のとおり可決または承認すべきものと決定いたしました。  審査の過程でなされた主な論議について申し上げます。  まず、電子行政推進事業及び議案第九五号「財産の取得について議決を求める件」に関し、事業の実施により、利便性の向上にどのように寄与するのかとただしたところ、「電子申請システムの開発により、県と市町村における行政手続のうち、本人確認が必要な手続等を除き、二十四時間インターネットを利用した申請・届出が可能になること。また、行政情報ネットワークの再構築に伴い、老朽化したネットワーク機器を更新することにより、回線の増量が図られ、電子申請システム等への対応がより迅速に行えるなど利便性の向上に寄与する」旨の答弁があり、委員からは「県民に対して利便性が非常に高まるといったことなどについて、情報発信してほしい」との要望が出されました。  次に、九州新幹線開業記念イベント開催事業に関し、事業の内容等についてただしたところ、「イベントは『中央駅ゾーン』、鹿児島中央駅と本港区を結ぶ『パレードゾーン』、本港区の『ウォーターフロントパークゾーン』及び鶴丸城跡を中心とした『歴史文化ゾーン』の四カ所を主な舞台として、観光物産展や各種パレードなどを実施することとしており、今回の予算措置は、それぞれのゾーンごとに実施するイベント等に必要な経費である」旨の答弁がありました。  また、イベントの実施における通り会・町内会などの地域との連携についてただしたところ、「通り会・町内会等の地域との連携は非常に大事であると位置づけており、現に話し合いを行った商店街もある」旨の答弁があり、委員からは「地域からの参加申し出については、さらに積極的に対応してほしい」との要望が出されました。  次に、議案第一〇六号及び第一〇七号の「契約の締結について議決を求める件」に関し、二工区と三工区で契約金額に大きな差がないことについてただしたところ、「ケーソン据えつけは、二工区で四函、三工区で三函であるが、据えつけの工事費については大きな差はなく、三工区の捨て石量が二工区より二千立方メートル多いためである」との答弁がありました。  また、予定価格に対する落札価格の割合についてただしたところ、「二工区については九六・六一%で、三工区については九六・四六%である」との答弁がありました。  次に、報告第四号専第七号「控訴の提起の件」に関し、控訴の理由についてただしたところ、「本案件は、出水郡東町獅子島における採石採取計画認可採石積出用桟橋の設置許可を怠ったとして、県を被告として、熊本県内の業者が損害賠償の訴えを提起した事件の判決に対する控訴である。県としては、判決理由で述べられた採石法の不認可処分は、故意または過失による違法な処分に当たるとされた点、港湾区域と一般公共海岸区域とは、形式的な違いのみで本質的な相違が認められないとする点、採石計画を認可した以上、桟橋設置許可について知事の裁量は拘束されるとする点などに対し、採石法と海岸法はそれぞれ独立しており、拘束されないなど見解の相違があることから控訴した」旨の答弁がありました。  次に、請願・陳情について申し上げます。  付託されました新規五件、継続審査十二件を審査し、新規については、三件を採択、一件を不採択、一件を継続審査すべきものとし、継続審査分については、いずれも継続審査すべきものと決定いたしました。  審査の過程でなされた主な論議について申し上げます。  初めに、陳情第三〇二〇号「種子島航路の改善に関する陳情書」に関し、現状では新規参入ができない理由についてただしたところ、「同航路は、国が輸送力などに一定の基準を設けた指定区間となっており、旅客運送のみの参入は認められていないため、県が航路開設の許可権限を持つ国等の提案を踏まえて、関係者間の意向を確認するなどの調整を行ってきたが整わなかった」、「また、規制緩和は時代の流れではあるが、指定区間におけるサービス基準は、離島住民の生活航路を守るための必要最小限の基準として維持する必要がある」旨の答弁があり、審査の結果、全会一致で採択すべきものと決定いたしました。  次に、陳情第三〇二二号「鹿児島県発注工事の談合による税金の無駄遣いと、指名業者の資格審査、現場の施行体制についての陳情」については、委員から「陳情内容についてもっと精査する必要がある」として継続審査を求める意見や、「内容として不適切な部分もあるが、公共工事に対して非常に厳しい目が注がれており、談合情報処理要領の見直しや県民の税金がむだにならないようにという要望を重要視する必要がある」として採択を求める意見、「県民の税金がむだにならないようにという観点では理解できるものの、陳情の一部の表現について、信憑性の有無の判断をいたしかねる箇所がある」として不採択を求める意見があり、挙手による採決の結果、不採択とすべきものと決定いたしました。  続いて、県政一般について申し上げます。  初めに、有明町通山押切海岸に関し、侵食防止対策の現状についてただしたところ、「恒久的な保全対策の実施について、今年度、海岸局部改良事業として新規採択されたところである。また、本年八月に県・地元町・地元住民・専門家等から成る『押切海岸保全対策協議会』を設置し、効果的な保全対策について検討を進めており、協議会の委員には地元漁業関係者も含まれていることなどから、さらに理解を得て事業を早期に着手できるようにしていきたい」旨の答弁がありました。  このほか、山川・根占航路存続関係並行在来線関係、鹿児島港本港区A街区暫定開発関係、県内企業への優先的発注などについて、種々論議が交わされました。  最後に、高規格幹線道路に関し、新直轄方式の導入や道路関係四公団の民営化に向けた検討が進められていることなどから、「高規格幹線道路の早期整備を求める意見書」を国に対して提出することとし、当委員会所属全議員により発議することにいたしました。  以上で報告を終わります。 6 ◯議長(溝口宏二君) 次は、文教商工観光労働委員長の報告を求めます。  吉野正二郎君。    [文教商工観光労働委員長吉野正二郎君登壇] 7 ◯文教商工観光労働委員長吉野正二郎君) 文教商工観光労働委員会の審査結果等について報告申し上げます。  まず、当委員会に付託されました議案第九二号及び第一〇九号は、いずれも全会一致で可決すべきものと決しました。  主な論議について申し上げますと、一般会計補正予算に関して、シルバー人材センターの現状などについてただしたところ、「十四年度実績で会員が約一万三千人で、うち八五%が就業し、契約額は約四十八億円である。シニアワークプログラム等の研修に民間講師を呼ぶなど、民間とも連携を図りながら事業が進められている」との答弁がありました。  次に、中高一貫校の整備についてただしたところ、「中高一貫教育には、中等教育学校、併設型、連携型の三タイプがあるが、それぞれに課題があり、与論及び喜界で実施している連携型の中高一貫教育の成果を検証しつつ、検討していきたい」との答弁がありました。  次に、請願・陳情については、新規五件と継続四件を審査いたしました。  まず、豊かな高校教育を保障する請願第四〇〇一号については、各項目ごとに現在の施策や今後の方針を確認いたしました。それらのうち、高校入試に係る定員内不合格者についてただしたところ、「入学者選抜は各高校、学科等の特色に配慮しつつ、その教育を受けるに足る能力、適正等を判定して行っているが、各高校では、できるだけ受検者の『学ぶ意欲』も救いたいとの思いで面接を行っている」との答弁がありました。  県教委においては、「各項目において可能な範囲で適切な対応をとっている」との意見があり、採決の結果、不採択とすべきものと決しました。  次に、発達段階に応じた性教育を求める陳情第四〇一二号については、「陳情が、本県の性教育の実態をどのように把握しているのか不明確であること」や「性教育の指導の手引の活用による成果も見守っていきたい」とのことから継続審査の意見や、陳情にある事例は、その内容を正確に把握しているとは言えない。さらに、本県では児童生徒の発達段階に応じた性教育が定着していることから不採択の意見がありましたが、継続審査すべきものと決しました。  次に、男女共同参画社会の形成を推進する教育を求める陳情第四〇一三号とジェンダーの改善、解消を図る教育を求める陳情第四〇一四号に関して、「県教委は従来からのジェンダーフリーの解釈にこだわるか」とただしたところ、「ジェンダーフリーの意味内容については、従来の答弁のとおりである。また、県男女共同参画審議会においても、ジェンダーフリーという用語は、さまざまな意味で使われているという状況から、この言葉にとらわれず、『男女共同参画推進条例に基づいた施策を進めるべき』との意見集約があったと理解している」との答弁がありました。  また、条例制定後の取り組みについてただしたところ、「社会教育の分野では、ハーモニープランが先行しており、この理念に基づいた事業を組み立ててきた。特に意識して行っていることは、社会教育の指導者に対する研修会において、条例の趣旨についての説明を専門の方に依頼している」との答弁がありました。  また、教育現場の一部の先生の話として、「男性と女性の固定的な役割分担意識をなくするという意味において、ジェンダーフリー教育という言葉を一般的に使っている」との報告に対し、「県教委としては、ジェンダーフリーという名のもとでの教育は行っていない」との答弁がありました。  また、「しっかりとした定義づけ、位置づけ、政策づけがなされないと学校現場は混乱を極める。今回のジェンダーフリー議論も本当の教育議論から離れた『用語』をめぐる議論になっていることは非常に残念である」など男女共同参画社会推進ジェンダーフリー、これに係る学校教育についてさまざまな意見がありました。  これらの議論を踏まえ、陳情第四〇一三号については、陳情の文面はほぼ同意できる内容であったが、文言としては使っていないものの、真意はジェンダーフリー教育を求めるものであるとの話を直接聞いた。したがって、現段階では一般に定着していない、あるいは幅の広い議論が行われているものであるとのことから継続審査の意見や、固定的な役割分担意識に基づく制度と慣行が根強く残っており、これを条例に基づいて変えていくには、教育の力が大きいということから採択の意見がありましたが、継続審査すべきものと決しました。  陳情第四〇一四号については、ジェンダーフリー教育というさまざまな解釈のある方針は取るべきではなく、本県の教育は、男女共同参画推進条例のもと、しっかりとした視点で推進していくべきとのことから不採択の意見や、ここで使われるジェンダーフリーは、男性と女性の固定的な役割分担意識をなくする意味と理解する。条例に基づく男女共同参画社会を推進するために、ジェンダーの改善、解消の教育を進めるべきとのことから採択の意見、今後十分な議論を尽くすべきとのことから継続審査の意見などさまざまでありましたが、採決の結果、不採択とすべきものと決しました。  次に、笠沙高校の存続を求める陳情第四〇〇三号については、分校としての存続、通学に係る交通手段等に関する質疑などがありましたが、採決の結果、不採択とすべきものと決しました。  なお、在校生の今後については、保護者を含めて十分な配慮がなされるよう強い要望がありました。  次に、県政一般についてであります。  高校生の求人状況と今後の取り組みについてただしたところ、「昨年の同時期と比べ一〇%の減少と大変厳しい状況である。県では、緊急雇用確保プロジェクト事業の一環として、経済団体への訪問や求人ローラー作戦で約二千社を訪問し、若年者等の採用を強く要請したこと。また、今後は新規学卒者のための就職面接会や、あらゆる層を対象とした就職セミナーを予定しており、多くの方の就業につなげていきたい」との答弁がありました。  かごしま活力ある高校づくり計画に関して、適正規模の根拠についてただしたところ、「生徒同士が切瑳琢磨して社会性を身につけることができること。高校の専門性や教育水準を確保できること。また、生徒のニーズにこたえる弾力的な教育課程が組めることなどから、一学年四から八学級としたものである」との答弁がありました。  また、特別支援教育の県の計画についてただしたところ、「すべての都道府県でモデル事業を実施しているが、本県では、鹿児島市が小学校六校、中学校一校を研究校に指定し、学校内での指導体制のあり方の研究、外部の巡回指導員による指導体制、専門家チームによる指導体制についての調査を行っており、県は、この結果を踏まえて、全県下に特別支援教育の体制づくりを進めていく予定である」との答弁がありました。  このほか、広域連携による観光戦略、鹿児島臨空団地など工業団地の分譲促進、スクールカウンセラーの確保など種々論議が交わされました。  なお、「私学助成の充実強化に関する意見書」及び「義務教育費国庫負担制度に関する意見書」を全会一致で発議することといたしました。  以上で報告を終わります。 8 ◯議長(溝口宏二君) 次は、環境生活厚生委員長の報告を求めます。  池畑憲一君。    [環境生活厚生委員長池畑憲一君登壇] 9 ◯環境生活厚生委員長(池畑憲一君) 環境生活厚生委員会での審査結果等について、御報告申し上げます。  当委員会に付託されました議案第九二号など議案四件については、いずれも原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  審査の過程の主な論議などについて申し上げます。  最初に、議案第九二号の「平成十五年度鹿児島県一般会計補正予算」のあまみ長寿・子宝調査事業に関し、あまみ長寿子宝・プロジェクトの進め方及び県の取り組み体制についてただしたところ、「今回補正予算要求した調査事業は、将来の奄美振興のためのニーズ調査であり、奄美振興のスタートラインとの位置づけである。プロジェクトを進めるに当たっては、地元が主役であるとの認識で取り組むこととしている。奄美を長寿・子宝の群島として振興するには、全庁的な取り組みが必要で、先月、庁内連絡会議を設置した」との答弁がありました。  次に、議案第九七号の「契約の締結について議決を求める件」の姶良保健所及び姶良福祉事務所の新築工事に関し、事業費総額及び予想される市町村合併と業務の関係などについてただしたところ、「総工費は用地費等を加え十七億円程度であり、新しく市が設置された場合、福祉事務所では生活保護関連の業務が市へ移管されるものの、福祉施設の指導監査や補助金及び資金貸付業務はそのまま残る。なお、保健所の設置要件は人口三十万以上の市となっている」との答弁がありました。  そのほか、電子カルテ・レセプト電算処理システム導入事業医療安全支援センターの設置、ケアプランチェック体制の整備、交通事故被災者救済事業県立自然公園条例の一部改正などについて、種々論議が交わされました。  次に、当委員会に付託されました請願・陳情について申し上げます。  新規九件、継続審査七件を審査し、一件を一部採択・一部継続審査、一件を一部不採択・一部継続審査、十四件を継続審査すべきものと決定いたしました。  審査の過程の主な論議などについて申し上げます。  まず、請願第五〇〇二号年金給付額の据え置き等に関する意見書の提出を求める請願については、審査の結果、公的年金改革については、国などにおいて検討がなされていることから、その状況も見守る必要があるとして継続審査を求める意見と、負担と給付の問題等を解決し、保険制度が存続していけるようなシステムに変更する必要があるなどとして採択を求める意見が出され、採決の結果、継続審査すべきものと決定いたしました。  次に、陳情第五〇一七号「乳幼児医療費無料制度に関する陳情書」については、審査の結果、第一項については、現物給付での対応は難しいとして不採択を求める意見や現物給付を実施している団体もあるとして採択を求める意見などが出され、採決の結果、不採択すべきものと決定いたしました。  また、第二項については、今後制度のあり方を検討すべきなどとして継続審査を求める意見と少子化対策上必要として採択を求める意見が出され、採決の結果、継続審査すべきものと決定いたしました。  次に、陳情第五〇一八号「自閉症・発達障害支援センターの設立および自閉症等の早期診断・早期療育の実施」については、「自閉症等の診断は難しいと言われているが、児童総合相談センターは対応できているか。また、自閉症者は何人ぐらいいるのか」とただしたところ、「自閉症の傾向のある人が見つかるのは一歳六カ月児健診や三歳児健診などの機会を通して、児童総合相談センターや保健所の発達クリニック等で対応しているが、専門的な病名に係るものは専門医のいる医療機関でないと診断はできない。専門医は、全国に百人ほどいるが、本県にはほとんどいないため、鹿児島大学等とも連携しながら専門医の確保に努め、関係機関と協力し、早期発見・早期療育に努めていく。なお、県内の自閉症者等は人口比の推計で千人程度と見込まれる」との答弁がありました。  審査の結果、自閉症・発達障害支援センターの設立および県立の医療療育機関における自閉症等の診断等については、早急に解決すべきであるが、いまだに専門医がいないなどの課題もあるとして継続審査を求める意見と、支援センターの設立及び早期診断・早期療育の実施は必要であるなどとして採択を求める意見が出されましたが、採決の結果、継続審査すべきものと決定いたしました。  次に、陳情第五〇一三号など男女共同参画関係の新規及び継続審査分の陳情八件に関しては、ジェンダーフリーの用語の定義及び使用についてただしたところ、「『ジェンダーフリー』という用語は、その定義が定まっておらず、論者によって考え方に相当の幅があるため、県においては使用していない。県が目指している男女共同参画社会は、画一的・機械的に男性と女性の違いを一切排除するというものではなく、『すべての人々が、その人権を尊重され、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮できる社会』である」との答弁がありました。  また、県民交流センター開設時における図書購入方法及び図書整備の考え方についてただしたところ、「県民交流センターのオープンを間近に控え、短期間に大量の図書を購入しなければならず、専門の業者にリストアップを依頼し、それを参考に県で選定した。また、男女共同参画センターの図書等は、男女共同参画におけるさまざまな角度から幅広く情報を提供することや県民の自主学習に資するための図書を整備したい」との答弁がありました。  また、委員からは「男女共同参画社会をつくらなければいけないというのはみんなの認識である」、「ジェンダーフリーなどの話が出てきて振り回されているが、これらの考え方は個人個人の意見になるので収拾がつかない」、「男女共同参画については、男らしさや女らしさには触れず、男女共同参画推進条例等に基づき進めていけばどうか」などの意見や「陳情の内容が抽象的なものは、陳情の取り扱いについての整理が必要ではないか」などの意見も出されました。  そのほか、県内における男女差別の状況、陳情第四〇〇六号採択との関連、男女共同参画条例制定時の考え方、男女共同参画審議会での論議、鹿児島ジェンダーフリー新聞などについて論議が交わされました。  審査の結果、陳情第五〇一三号第二項については、「男はこうあるべき」、「女はこうあるべき」ということを言っているのではなく、男らしさや女らしさをすべて否定するがごとき風潮が見られることを懸念し、生まれつきの男女の違いに起因するものは尊重しつつ、個々の個性や多様性を認め、それぞれの人権を尊重していくことで、男女共同参画社会の着実な推進が図られていくよう望むものであり、男女共同参画社会の実現を目指す男女共同参画推進条例推進の観点から陳情がなされていると理解し採択を求める意見、男らしさや女らしさが強調されると男女共同参画推進が阻害されるとの懸念もあるなどとして不採択を求める意見及び男女共同参画推進条例の観点から継続審査を求める意見が出され、採決の結果、採択すべきものと決定いたしました。  また、陳情第五〇一三号第二項以外の男女共同参画関係の陳情については、「ジェンダーフリー」の用語の定義が定まっておらず、論者によって考え方に相当の違いがあることから、共通の認識が難しく、さらに論議を深める必要があるなどとして、採決の結果、すべて継続審査すべきものと決定いたしました。  次に、県政一般の主な論議について申し上げます。  レジオネラ症の防止対策に関し、入浴施設の改善状況などについてただしたところ、「浴槽水の消毒、レジオネラ検査の実施状況などは昨年度から比較すると改善しており、浴槽の消毒は昨年の五五%が八六%になっている」との答弁がありました。委員からは「本県の温泉は大きな観光資源であり、温泉が危ないとなれば観光に大きなマイナスとなる。施設の改善が進むよう取り組んでほしい」との強い要望があり、執行部からは「調査の進度も上げ、営業者みずからが的確な衛生管理をするよう強く指導し、本県の温泉が全国的に安心安全と評価されるよう努力する」との答弁がありました。  このほか、障害者計画、福祉サービスの第三者評価、身体障害者補助犬法、奄美群島自然共生プラン、公共関与による産業廃棄物管理型処分場の整備、一般廃棄物の不法投棄、県消費生活センターにおける相談内容等について、種々論議及び説明が行われました。  以上で報告を終わります。 10 ◯議長(溝口宏二君) 次は、総務警察委員長の報告を求めます。  徳留のりとし君。    [総務警察委員長徳留のりとし君登壇] 11 ◯総務警察委員長(徳留のりとし君) 総務警察委員会に付託されました案件の審査結果等について御報告申し上げます。  初めに、議案第九二号「平成十五年度鹿児島県一般会計補正予算」など議案四件につきましては、いずれも原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  審査の過程でなされた主な論議について申し上げます。  まず、議案第九二号のうち歳入予算補正及び地方債の補正につきまして、「交付税の留保額二十九億円余りの中には、人事委員会勧告に伴う引き下げ等を想定しているのか」とただしましたところ、「現段階での交付税の留保額は二十九億円余りであるが、基本的な考え方としては、今後、三月補正など予算措置の大きな変動要因がある。その際、一般財源ベースで最終的な調整財源として留保しているものであり、人事委員会勧告に伴う引き下げ分については想定していない」との答弁がありました。  次に、歳出予算補正関係につきましては、市町村合併特例交付金の内容につきましてただしましたところ、「市町村合併に伴う住民登録や税関係の電算システムの統合及び地域情報ネットワークシステムの整備等については、合併市町村が円滑に住民サービスを行うために、合併前に事業着手する必要があるが、多大な費用を要することから、財政支援をするためのものである」との答弁がありました。  次に、陳情についてでありますが、四件を審査し、一件を採択、一件を一部継続審査・一部不採択、二件を継続審査すべきものと決定いたしました。  審査の過程の主な論議について申し上げます。
     まず、陳情第一〇〇四号「防衛庁を『省』に昇格することを求める陳情書」につきましては、国民の生命・財産の保護及び世界平和への貢献など自衛隊の果たすべき役割は大きい。ぜひとも昇格の早期実現が必要などとして採択を求める意見と、防衛問題は国の専管事項であり、委員会で議論することはふさわしくなく、現在の自衛隊法からいくと内閣総理大臣が最高責任者であるべきとして不採択を求める意見が出され、採決の結果、採択すべきものと決定いたしました。  次に、陳情第一〇〇五号「人権侵害の真相を求める陳情書」第一項につきましては、公判中の事件に関連するもので調査委員会を設置することが裁判に及ぼす影響などを考えると委員会審議になじまないなどとして不採択を求める意見と、今回の選挙違反事件につきましては、関係者の意見、資料・情報等を総合すると取り調べの段階での人権侵害が明らかであり、調査委員会を設置し関係者の意見を聞く取り組みを委員会として行っていくべきとして採択を求める意見が出され、採決の結果、不採択とすべきものと決定いたしました。  続きまして、第二項につきましては、初めに、「過酷な取り調べで自白を強要、人権無視が行われたとの批判があるが、捜査は適正に行われたのか」とただしましたところ、「取り調べにおいて、基本的人権を尊重し、自白の強要が許されないのは当然のことであり、捜査は、法と証拠に基づいた適正かつ適切なものであったと考えている。個別具体の捜査内容は、公判中であり、証拠にかかわるもので答弁は差し控えたい」との答弁がありました。  次に、「今回の事件捜査は、人権に配慮した捜査だったのか」とただしましたところ、「被疑者の供述拒否権の侵害や自白の強要が許されないのは当然のことである。人権に最大の配慮をするよう指導し、徹底を期したところである」との答弁がありました。  次に、「取調官の具体的な言動、言葉等の行為は、人権に配慮した捜査とは言えないのではないか」とただしましたところ、「警察における捜査は、犯罪解明の公共目的のために行われるものであり、個々の人権との間に何らかの摩擦が生じるのはやむを得ないことである。その摩擦は、個々具体的な事情について、一般論として答弁できるものではなく、事件全体の中で判断されるべきであって、司法の場で議論すべきもので、議会の場にはなじまない」との答弁がありました。  次に、「今回の事件で、人権侵害問題について、司法の場で明らかにできるのか」とただしましたところ、「公判廷において、当事者からの申し立てがあれば、取調官が召喚され、質問を受けることになる」との答弁がありました。  そのほか、さまざまな質疑がありましたが、審査の結果、公判中の事件であり、裁判の推移を見守り、事案の確定後、大きな問題があった場合は、議会としても対応したいとして継続審査を求める意見と、人権に配慮し、法と証拠に基づき慎重に捜査を進めたということであるが、到底信じがたいので、今後、人権侵害が起きないよう対応すべきであるとして採択を求める意見が出され、採決の結果、継続審査すべきものと決定いたしました。  続いて、県政一般における論議について申し上げます。  まず、出光興産北海道製油所のタンクの火災に関連し、今回の事故に伴う本県の石油備蓄基地への指導についてただしましたところ、「志布志、喜入など県内五地区の特別防災区域の消防本部に対して、各事業者に施設の点検確認をするよう指示したところである」との答弁がありました。  次に、姶良町の運転免許試験場の老朽化の現状と対応についてただしましたところ、「運転免許試験場については、老朽化も進んでおり、必要の都度改修を行ってきた。耐震、老朽、狭隘等を総合的に勘案しながら、今後、建てかえの点も含めて関係当局と協議してまいりたい」との答弁がありました。  また、「旧さつま寮」の売却につきまして、「九月二十六日に一般競争入札で十億六千十一万円で落札された」旨の報告がありました。  このほか、行政改革への取り組みについて、国庫補助負担金の見直しについて、県税収入について、スーパー対象の金庫破り事件について、警察職員の住宅問題について、質疑・応答がありました。  以上で報告を終わります。 12 ◯議長(溝口宏二君) 次は、農林水産委員長の報告を求めます。  松里保廣君。    [農林水産委員長松里保廣君登壇] 13 ◯農林水産委員長(松里保廣君) 農林水産委員会の審査結果等について、御報告申し上げます。  当委員会に付託されました議案第九二号及び議案第一〇〇号から第一〇三号までの計五件の議案につきましては、いずれも原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  審査の過程の主な論議について申し上げますと、議案第一〇〇号から第一〇三号の農業開発総合センターに関する契約締結議案のうち、吹上・金峰町地区における耕種試験研究施設の事業進捗率及び今回の入札における予定価格に対する落札率をただしたところ、「吹上・金峰町地区における総事業費に対する進捗率は、十五年度末までで約六一%である。また、落札率は四件の契約で九八・二%から九九・二%である」との答弁がありました。  次に、議案第九二号に関し、森林組合合併推進事業について合併の状況をただしたところ、「現在、合併推進協議会が一地区、合併研究会が三地区で発足しており、十五年度中に各流域に研究会が設置される予定である。今後、さらに合併推進協議会の設置に向けた取り組みを支援してまいりたい」との答弁がありました。  また、県営林経営事業に係る債務の借りかえと既往債務の現状についてただしたところ、「利子の高い公有林造林資金を借りかえるものであり、現在の元金残高は、四十四億五千二百万円である」との答弁がありました。  次に、陳情について申し上げます。新規の陳情二件、継続分二件を審査し、二件を採択、二件を継続審査すべきものと決定いたしました。  審査の過程での主な論議について申し上げます。  陳情第二〇〇九号のさとうきびの政策と価格、及び陳情第二〇一〇号の甘しょ及び甘しょでん粉の政策と価格に関する要請は、それぞれWTO農業交渉及びFTA交渉において、現行関税率やアクセス水準等の国境措置を堅持し、その生産振興の取り組みに対して、国による政策支援の強化を求める陳情でありますが、これらについて、「国に対して農家及び関係企業が意欲を持って取り組めるよう再生産可能な水準を確保するとともに、WTO農業交渉等に対する適切な対応や生産対策等関連対策の充実強化を今後とも強く要請してまいりたい」との答弁があり、施策支援について、今後の生産の維持拡大と農家等の経営安定を図るため、関連対策の強化を求める必要があるとして、審査の結果、全会一致で採択すべきものと決定し、それぞれ国に対して意見書を発議することといたしました。  なお、平成十六年産のさとうきび及び甘しょの価格につきましては、委員会に先立ち九月十八日付で議長名で要請書を提出しておりましたが、去る十月三日に、いずれも実質生産者手取価格の据え置きが決定されましたので、御報告いたします。  次に、継続分の陳情第二〇〇六号について、イノシシ対策の現状についてただしたところ、「知名町では、農作物の被害が十三年度で三千八百十万円に上り、捕獲さくの設置等の対策を実施している。また、これまでに、三百四十七頭を駆除した」との答弁があり、これに対し委員から、「イノシシ駆除は撲滅するようなつもりで取り組んでもらいたい」との要望があり、今後の駆除対策等を見守るため、継続審査すべきものと決定いたしました。  続いて、県政一般について申し上げます。  十六年度で終了予定の中山間地域等直接支払制度の継続要望への対応についてただしたところ、「この制度の継続措置や基準の見直し、内容の充実強化ついては、県開発促進協議会要望等を通して、国に対し強く要請している」との答弁があり、委員からは、「これらの内容が実現されるようにさらに努力してほしい」との要望がありました。  次に、家畜排せつ物の対策について、来年十一月の家畜排泄物に関する法律の罰則規定の適用までに、対象農家が対策を達成できる見通しであるかただしたところ、「十五年度末において、県整備計画の七割が達成される見込みであり、残りの対象農家についても個別に相談しながら、さまざまな事業を活用し、一〇〇%になるように努力していきたい」との答弁がありました。  次に、イヌマキを枯死させる害虫のキオビエダシャク対策について、現状をただしたところ、「現在、南薩を中心に被害が出ており、徐々に北上している。林業試験場において効果的な薬剤や駆除方法について市町村を通じて広報しており、対策を徹底したい」との答弁があり、委員からは十分な対策への要望がありました。  また、韓国へかごしま材の輸出が開始されたことについて、県の対応をただしたところ、「去る九月二十九日に志布志港から韓国へ向けて、本県の木材輸出第一便として輸出された。県としては、今後かごしま材輸出検討会の開催、韓国の建材展におけるかごしま材と竹炭ボードのPR及び輸出に係る供給体制の整備に取り組み、かごしま材の国内外における一層の需要拡大に努めたい」との答弁があり、委員からは、「県内木材業界にとって大変明るいニュースであり、県としても後押ししてもらいたい」との要望がありました。  このほか赤土流出対策事業、加世田砂丘特区、日本たばこ産業鹿児島工場閉鎖の影響、負債農家の指導対策、肉用牛改良の問題点、BSE対策及び牛肉の消費拡大対策、米の消費拡大対策、地域振興公社のあり方、間伐材と竹材の利用拡大、松くい虫対策、マグロ養殖の現状、森林環境税構想、ザ・漁師塾、木材価格の見通し、リョクチクの生産振興策、予定価格事前公表制度の運用等について、種々論議が交わされました。  以上で報告を終わります。 14 ◯議長(溝口宏二君) 以上で、委員長の報告は終わりました。  御質疑はありませんか。    [「なし」と呼ぶ者あり] 15 ◯議長(溝口宏二君) 御質疑はありませんので、質疑は終結いたします。       ─────────────    △ 討  論 16 ◯議長(溝口宏二君) これより、討論に入ります。  通告に従って、順次発言を許可いたします。  まず、上村勝行君に発言を許可いたします。    [上村勝行君登壇] 17 ◯上村勝行君 私は、社民・無所属連合を代表して、議案第九二号及び陳情第四〇一四号について、討論をいたします。  まず、議案第九二号「平成十五年度鹿児島県一般会計補正予算」が、県内経済の動向等にも配慮して、社会資本の整備推進や災害復旧に迅速な対応をとられている点については評価いたしますが、人口島マリンポート建設に関する事業推進に反対するものであり、以下、その理由を述べます。  本県財政が、今日、財政再建団体転落への危機的状況に至った最大の原因は、バブル経済崩壊後の一九九〇年代に国の景気対策に呼応して大量の県債を発行し、公共事業を推進してきた結果、一兆五千億円を超す莫大な借金総額をつくり出し、公債費が増嵩していく財政構造に陥ったことにあります。  財政再建のためには、まず、原因である、この間膨張してきた公共事業を聖域なく見直し、事業の峻別、重点化、場合によっては延期、中止など大幅な構造転換が必要であります。  すべての事務事業が聖域なく見直される中にあって、人口島マリンポートかごしまだけは聖域化されるというのは、県民として到底納得できません。  知事は、二十一世紀における本県の浮揚発展に必要不可欠な事業として今後も積極的に事業を推進するとの意欲を示しておられます。  しかしながら、代表質問の質疑でも明らかなように、現在事業が進められている二十四ヘクタールの竣工が、平成二十一年度と予定される今日でも、その上物である国際会議場や見本市、展示場、交流施設の事業主体や事業費、事業年度も何ら検討されておらず、ましてや全体計画六十七ヘクタールの残りの四十二・三ヘクタールについては、具体的な土地利用計画や事業費等は全く定かでありません。  財政再建計画に重大な影響を及ぼす問題であるだけに、このような具体性と展望に欠ける事業をこれ以上推進することは、無謀と言うほかありません。  人工島マリンポート建設よりももっと地方の活性化と生活基盤の充実、災害に強い県土づくりを中心とした社会資本の整備へと公共事業を抜本的に転嫁すべきであります。  次に、陳情第四〇一四号「ジェンダーの改善・解消をはかるための教育を求める陳情」について討論いたします。  まず、男女共同参画社会推進運動全体に対する所感を申し上げます。  国会における男女共同参画法は、一九九九年-平成十一年-に成立しました。これは、一九七九年-昭和五十四年-に国連総会で採択された女性差別撤廃条約に基づいたものであり、その国内版とも言えるものであります。その前史には、数次にわたる世界女性会議の開催があります。  これら長年の国際的な女性の権利確立の運動や人権運動が国内の男女平等の取り組みと相まって、男女共同参画法として法制化されたものと理解しております。  それでは、今、申し上げた女性運動だけでこの法律が成立したかというと、そうではなく、世界のグローバル化と少子・高齢化社会という国内事情が背景にあったと思います。  つまり男女共同参画法の成立は、女性の主体的、積極的社会参加を求めないと、日本が世界に伍していけない、また、少子・高齢化社会を乗り切れないという国家的要請からも来ていると私どもは理解しております。  これら国内外の必然的流れと言える男女共同参画推進運動が、今になってバックラッシュとも言われる反対運動に直面していることを私どもは全く理解できないのであります。  戦後の教育改革の結果、日本ほど女子教育が進んだ国はないと世界から言われております。また、一方、日本ほど女性の能力を生かしていない国はないとも言われております。  国内は、今、解決すべき問題がたくさんありますが、社会的、慣習的に内在する女性差別をなくすこと。女性の能力という国富をむだにせず、生かし切るということは、喫緊の課題だと思うのであります。  したがって、ぜひとも大局的視点に立ってこの問題を判断していただきたいことをまず、お願い申し上げます。  さて、陳情第四〇一四号に対する委員会の採決結果は、不採択でありますが、採択とすべきであります。  以下、その理由を述べます。  この陳情の要旨は、男女共同参画社会を推進していくに当たっては、幼稚園、小・中・高校におけるジェンダーの改善・解消のための教育が不可欠であるので、真の男女共同参画社会実現のため、これら教育の継続と改善を求めるというものであります。  この陳情が不採択となった理由は、陳情理由の女らしく、男らしくの項とジェンダーフリー教育の項であると思われます。男らしく、女らしくについては、これまで種々議論されてまいりましたが、国会でも議論されており、次のような政府答弁も出されております。  すなわち、男女共同参画担当大臣である福田官房長官は、「男女共同参画社会は、男らしさ、女らしさを否定しているのではない。しかし、男らしさ、女らしさをパターン化してしまうことは、一人一人の個性と能力を十分発揮することができなくなるおそれがあることから、これらを強調することは問題であると考えている」と答弁しているのであります。  また、内閣府男女共同参画局は、本年一月二十七日付の文書で、これら答弁が掲載された「『国会質疑Q&A』の内容に基本的に異存はない」と言って、全国に配布しております。私どももこの政府答弁でよいと思っておりますが、今、男女共同参画社会づくりの中で、留意すべきは、陳情文でも強調されておるように、男らしさ、女らしさを過度に強調することではなく、自分らしさ、すなわち自分らしく生きることの追求ではないでしょうか。このことは、小泉総理も今臨時国会の施政方針演説の中でも言っておられます。  それは、次のようなことであります。「いまや女性は、幅広い分野で活躍しています。建築エンジニア、飛行機のパイロット、東ティモールの平和維持活動など女性の元気が社会を活性化しています。今の小学生が社会に出るころまでに、あらゆる分野で女性が三割を占めることを目標に女性が安心して仕事ができ、個性と能力を発揮できる環境を整備します」と述べられておるのであります。  このように男女共同参画社会づくりにおいて、自分らしく生きることは、その核心部分であります。頑迷な復古主義思想による男らしさ、女らしさの一面的強調によっては、両性の個性ある発展を期すことはできないし、活力ある日本も実現できないと思うのであります。  また、本陳情の中でジェンダーフリー教育の概念が出ていることが否決のもう一つの理由となっております。ジェンダーという言葉が初めて使われたのは、一九九五年に北京で開催された世界女性会議であります。  御承知のようにジェンダーとは、社会的、文化的につくられた性差と言われております。このことは、本県男女共同参画社会推進条例に基づく基本計画として位置づけられているハーモニープランの中にもうたってあることであります。  「ハーモニープラン 第三章」の中には、「ジェンダーに敏感な視点に立った教育の普及及び推進」、「メディアに対し、ジェンダーに敏感な視点に立った表現の協力要請」を施策として実施する旨、規定してあります。  また、同じ第三章には、その基本目標として、「女性も男性もジェンダーにとらわれることなく、多様な生き方ができるように、職場や地域社会における慣行やしきたりの見直しを進めるなど環境の整備を図ります」ということを掲げてあります。  これら政府や本県の施策としてもやることになっているジェンダー、すなわち社会的、文化的につくられた性差を解消する取り組みが、ジェンダーフリー教育という言葉になって何が悪いのでしょうか。  ジェンダーフリー教育を社会的、文化的につくられた性差の解消を図る教育ではなく、両性の生物学的性差の解消を求める教育と履き違えて実践しているという指摘もあります。しかし、本県には、そのような事例は見られないのであります。  また、全国を引き合いに出して、本県の陳情を判断するのは間違いだと思います。  ジェンダーという言葉がまだ県民に定着していないという意見もありますが、私どもは、今、日本国内の政・財・官の中に氾濫しているわけのわからない外来語、外来造語に比べると、ジェンダーという言葉はよほど市民権を得ていると思うのであります。  また、男女共同参画基本法や本県条例には、「国際社会の取り組みと密接に関係し、国際協調のもとに行われなければならない」と明記してあることから、ジェンダーフリーという言葉を排除することにはならないと思うのであります。  さらに私は、全羅北道の本県訪問団の皆さんから、男女共同参画についてお話をお聞きする機会があったのでありますが、それから判断すると、日本の男女共同参画、男女雇用機会均等の取り組みは、今や儒教の影響が最も色濃く残っていると言われる韓国にもおくれを取っているようであります。全羅北道の道議会議員の皆様の話によりますと、金大中前大統領婦人が、政府役員として陣頭指揮をとり、男女共同参画、男女雇用機会均等の取り組みが法制化を含めて著しく進んでいるとのことであります。これら国際的状況から見ても、この種問題については、「角を矯めて牛を殺す」の愚を犯すことなく、何を伸ばすかという視点に立って判断すべきであり、この際、男女共同参画の取り組みを励まし、支えていくという基本姿勢に立って判断していただきたいのであります。  結論として、陳情第四〇一四号の取り扱いは、採択としていただきますようにお願い申し上げまして、討論を終わります。 18 ◯議長(溝口宏二君) 次は、柴立鉄彦君に発言を許可いたします。    [柴立鉄彦君登壇] 19 ◯柴立鉄彦君 私は、自由民主党県議団を代表して、議案第九二号「平成十五年度鹿児島県一般会計補正予算」及び陳情第四〇一四号、陳情第五〇一三号第二項の取り扱いについては、それぞれ関係委員長の報告のとおり決すべきものとする立場から討論を行います。  まず、平成十五年度鹿児島県一般会計補正予算についてであります。  本県では、平成十三年十二月に策定された財政改革プログラムに基づいて、歳入・歳出全般にわたる事務事業の見直しなどを行いながら、予算を編成してまいりました。  ところが、去る六月に示された新たな収支見通しによりますと、長引く景気低迷や県税収入の大幅な減少の影響を受け、このままでは平成十八年度に財政再建団体に陥る事態となることから、財政改革プログラムを改訂することとし、現在、議会、県一体となって歳入・歳出両面にわたり、聖域なく徹底した見直しを行っているところであります。  このように極めて厳しい財政環境にある中で、九月補正予算の編成に当たっては、より一層の峻別と重点化に努められ、県内経済の動向等にも配慮しつつ、社会資本の整備推進や自然災害への迅速な対応の観点から、国庫支出金の確定を見た公共事業やその他の国庫補助事業を計上するとともに、台風十号などの災害復旧事業や県単公共事業についても所要の事業費を追加計上しているのであります。  また、来年三月十三日から運行を開始する九州新幹線や肥薩おれんじ鉄道の開業を記念するイベントを実施するための経費や奄美群島の世界自然遺産登録の実現に向けた取り組みに要する経費など県勢発展に向けた重要な取り組みへの対応などにも所要の措置を講じているのであります。  さらに、マリンポートの整備推進など我が党の予算編成に対する申し入れにも十分な配慮をされていることなどから、私どもは、平成十五年度鹿児島県一般会計補正予算を評価し、全面的に賛成するものであります。  次に、陳情第四〇一四号及び陳情第五〇一三号第二項についてであります。  陳情第四〇一四号は、真の男女共同参画社会実現のためにジェンダーフリー教育の継続と推進を求めるものであり、陳情第五〇一三号の第二項は、県に男らしさ、女らしさを否定することなく、男女の特性を認め合い、助け合って築く男女共同参画社会の推進を求めているものであります。  そもそもジェンダーフリー、あるいはジェンダーフリー教育という言葉は、どのように定着し、どのように解釈されているのでしょうか。地元紙の七月十日付の報道によれば、天文館の街頭でジェンダーフリーについての質問を男女百名に行ったところ、「聞いたことがある」と答えた人は七人、「意味を知っている」と答えた人はわずか三人であったと紹介しております。  また、最近のジェンダーフリーをめぐる議論に対しては、率直なところ、多くの県民から「よく意味がわからない」との声が寄せられております。  また、ジェンダーフリーを論ずるさまざまな著書の中でも、一方では「男女共同参画社会を推進する上で不可欠な視点である」というものから、一方では「良き伝統や慣習を破壊する可能性を持つ危険な思想だ」と論ずるものなど実に多くの解釈が存在しているのであります。  私どもは、このようなことから、このジェンダーフリー、またはジェンダーフリー教育なるものは、現段階では、社会的に定着した用語ではなく、その内容の定義や解釈にしても実に不安定なものだと考えております。  政府においても昨年十一月十二日の国会答弁において、男女共同参画社会づくりの担当大臣である福田官房長官や男女共同参画局長の発言があり、「男らしさとか女らしさを否定しているものではない」、「画一的に男女の違いを一切排除するといった意味でのジェンダーフリーを目指しているものではない」と述べております。  また、ことし二月二十七日の衆議院予算委員会の分科会では、福田官房長官は、ジェンダーフリーという言葉について、「誤解を招くような、そういうおそれがあるので、政府としては公式に使っていない」と述べております。  また、国連などの国際文書にも、また、我が国の男女共同参画基本法や同基本計画といった法令等においても、一切ジェンダーフリーは使用されておらず、国における公式な定義はなされていないのであります。  本県においては、鹿児島県男女共同参画推進条例が制定され、平成十四年一月一日から施行されました。今、この条例が施行されてわずか一年九カ月であります。ようやくこの条例の目指すところが県民に理解され、知事の言われる「男女が社会の対等な構成員としてみずからの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画し、喜びと責任を分かち合うことのできる社会」に向けて一歩ずつ歩み始めたところであります。
     何ゆえ男女共同参画社会づくりではいけないのか。今、何ゆえジェンダーフリーなのかということであります。  私どもは、男女共同参画社会づくりとジェンダーフリー思想とは別物であると理解すべきと考えます。  今、にわかにジェンダーフリー、またはジェンダーフリー教育をその政策推進の基本的な考え方にすることは極めて困難であり、県民に誤解を招きやすく、また、実際の地域や教育現場において混乱や対立が生じるおそれがないとは断言できません。  むしろ男女共同参画社会づくりや男女平等教育の着実な推進にとって、ジェンダーフリーを用いることが障害になるという懸念すらあるのであります。  また、県民の間では、ジェンダーフリーのみならず、県政の推進上、外来語や横文字を多用し過ぎるとの批判もあります。  私ども自民党県議団は、今、歩み出した男女共同参画社会づくりが、県条例の理念によって推進されることを主張するものであります。  また、よき伝統や文化、風習が軽んじられることなく、男性と女性がそれぞれの特性や長所を認め合いながら、互いに助け合い、築いていく社会を望んでおります。  男らしさ、女らしさを認め合うことはもちろん、「らしさ」の形にはめ込んで本来の可能性を狭めることなく、一人一人の個性や能力を伸ばすことが大切であることは言うまでもないことであります。  したがいまして、ジェンダーフリー教育を求める陳情第四〇一四号は、不採択。  男らしさ、女らしさを否定することはなく、男女の特性を認め合い、助け合って築く男女共同参画社会づくりを求める陳情第五〇一三号第二項を採択すべきものと主張するものであります。  以上で、議案第九二号及び陳情第四〇一四号、陳情第五〇一三号第二項について、我が党の意見を表明し、自由民主党県議団を代表しての討論を終わります。(拍手) 20 ◯議長(溝口宏二君) 次は、まつざき真琴君に発言を許可いたします。    [まつざき真琴君登壇] 21 ◯まつざき真琴君 私は、日本共産党を代表し、今議会に知事より提案されました議案のうちの主なものと、請願・陳情の委員会審査結果についての主なものについて、反対討論を行います。  まず、議案第九二号、九三号、一〇六号、一〇七号についてでありますが、これは、いずれも人工島関連の補正予算並びに工事契約の締結について議決を求める議案であります。  そもそも一昨年に策定した財政改革プログラム自体を二年も待たず改訂せざるを得なくなった危機的な県財政状況のもとで、人工島関連予算だけは聖域として見直しがなされないまま、予算執行されていくことについて賛成できないのであります。  本議会の私の一般質問に対する知事の答弁でも明らかになったように、この人工島のもたらす経済効果についてさえ、現時点における検証がなされておりません。  知事が答弁で示された経済効果としての数字は、一九九七年の鹿児島港人工島地域活性化促進計画策定調査で取りまとめたものがベースになっております。  さらに知事は、その中では、大型観光船の経済効果も検討されていると答弁されましたが、その数字自体、沖縄本島に寄港した定期クルーズ船での観光消費の調査結果を鹿児島に当てて試算したものであります。  その後、この国際観光船による経済効果の試算というのは、鹿児島市議会の特別委員会の審議の中で、その試算の根拠となる国際観光船が示されましたが、そのほとんどがバハマ諸島、アラスカ、パナマ、南カリブ、北欧、ニューイングランド、アメリカ西海岸などを航行海域としており、鹿児島に寄港するはずもない船であることが明らかになりました。  次に、クリーンエリザベスII世号のかわりに二千名の乗員船を何とか見つけようとしたのでしょう。県は、ノルウェージャンウインド号という国際観光船を示し、いかにも根拠があるような説明をされましたが、その船もアジアクルーズを中止していることが、日本共産党市議団の調査でわかりました。  私は、当時、鹿児島市議会の建設委員会を毎回のように傍聴しておりまして、鹿児島県がどうしてすぐにでも根拠が崩れると思われる数字を示してくるのか不思議でしたが、そのわけがよくわかりました。  さきに人工島ありきで、その経済効果や費用対効果など問題ではない。県民にとって人工島が必要かどうかという検証などもともとする気がないということが明白であります。  だからこそ、国際会議場や見本市、展示場、多目的広場などの上物の計画も予算も全く検討されず、経済情勢や県財政がこれだけ厳しくなった今日も、知事はその数字をそのまま使い、県勢の浮揚発展に必要不可欠と叫ぶしかないのですね。  人工島建設は、以上述べたことを初め、県民にとってまさに典型的なむだ遣いであり、県財政が危機的状況の中、聖域なき改革として、一日も早く事業の見直し、中止をすべきであります。  よって、これらの事業を含む関連予算、工事契約議案には賛成できません。  次に、陳情一〇〇四号「防衛庁を『省』に昇格することを求める陳情書」についてであります。  これは、不採択にすべきことを主張いたします。  その理由の第一は、防衛庁を「省」に昇格させるという問題は、単なる名称の変更ではなく、日本という国のあり方自体を変えることを意味するということです。「省」昇格を進める側が強調しているのは、「省」昇格というのは、国防、安全保障についての国家の基本的な姿勢を明確に示すことだということであります。  ここで言う国家の基本姿勢というのは、憲法九条に基づき、戦争をしないという国の形を戦争する国につくりかえていくことにほかなりません。既に周辺事態法、テロ対策特措法、有事立法、イラク特措法と、憲法違反の海外派兵法がつくられ、今度は憲法九条そのものを変える明文改憲の動きさえ顕著になってきています。  しかもそれは、アメリカ一国の利益を国連憲章、世界の平和秩序の上に置き、他国に対して先制攻撃を行うというアメリカの世界戦略に従っての戦争であります。  私は、ここで、改めて憲法九条の持つ意義を訴えたいと思います。  国連憲章が定めるように、現代の世界は、戦争は違法という流れの中にあります。この流れの中で、恒久平和主義を最も徹底させた先駆的なものとして、憲法九条が位置づけられております。  一九九九年五月の百カ国が参加したハーグ市民平和会議は、その行動指針として、公正な世界秩序のための州の基本原則を取りまとめ、その第一項に、日本国憲法の世界化として、「各国議会は、日本国憲法九条のような政府が戦争することを禁止すべきである」と、宣言の中でうたっています。  これは、平和と進歩の国際的流れを反映しています。私たちが軍事大国への道ではなく、日本とアジアの平和、世界の平和のために憲法九条に基づく道を進み、二十一世紀に平和の礎を築くことは、後世への責務と言えるものであります。  理由の第二は、主要各国では「省」になっているということでありますが、そもそも日本国憲法はその前文で、「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起きることのないようにすることを決意し」と述べ、第九条は、「国権の発動による戦争と武力による威嚇又は武力の行使を永久に放棄すること。国の交戦権は、これを認めない」としています。  九条を中心とした平和憲法を持つ日本と他の国々を比較すること自体に問題があります。  理由の第三は、テロ対策、災害対策などは、防衛庁の昇格とは直接かかわりのないということです。  以上の理由から、本陳情は、不採択とすべきと考えます。  次に、陳情四〇一四号「ジェンダーの改善・解消をはかるための教育を求める陳情」についてであります。  これは委員会審査で不採択となりましたが、これは採択すべきであることを主張いたします。  六月議会でジェンダーフリー教育を行わないように求める陳情が採択され、さまざまな議論を呼びました。本県の男女共同参画推進条例には、その前文に「すべての人々が、その人権を尊重され、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮することができる社会を築くことは、私たちの願いである」とあります。  これについては、ほとんどの皆さんが当然であると理解される内容であると思います。  しかし、頭で理解していることと実際の行動とは別であります。例えば一つの例で示してみます。  今、夫婦でともに仕事をしている家庭というのは大変ふえていると思いますが、子供の世話、掃除、洗濯、食事の用意や後片づけなど夫婦のどちらがしていることが多いでしょうか。もちろん労働時間、帰宅時間、正社員なのか、パートやアルバイトなのかという雇用形態など夫と妻で条件は違うでしょう。しかし、多くの場合は、妻がやるのが当然で、自覚のある夫でさえも手伝ってやっている、協力してやっているという意識ではないでしょうか。  よく考えてみてください。家事を女性がやらなければならないという理由がありますか。どちらがやってもいい。夫が早く帰れば夫がやればいい。妻が早く帰れば妻がやればいい。そうではないでしょうか。そうなっていないために、女性は子育てのために、介護のために続けたい仕事が続けられなかったり、続けたとしても、男性と同じように仕事に十分に自分の役割を果たせなかったりしてきたのではないでしょうか。  だからこそ、県の男女共同参画推進条例の前文に続けてあるように、「依然として性別による固定的な役割分担意識やこれに基づく制度と慣行が根強く残っており、なお一層の努力が必要とされている」と述べられているのです。  この問題を解決していくには、教育の力によるところが大きいと言えます。子供のころから男として、女としての生き方を分けて考えさせるのではなく、いかに個性と能力を発揮して自分らしく生きていくかを考えさせ、それを実践していく。そのことこそ、条例にあるように男女が対等な構成員としてみずからの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画し、喜びと責任を分かち合うことができる男女共同参画社会を築いていくのです。  私は、本陳情をより理解するために、小学校、中学校の先生からお話を伺いました。その現場の先生によると、「自分たちは、何も特別なことをしようとしているわけではない。必要もなく、男女を分けたり区別したりするのではなく、男女が平等であり、自然に一緒に混ざっている状態をつくりたいと思っているだけだ」と話されました。  「もちろん着替えや身体測定など男女で分けてするのは当然です」と。そして加えて話されました。「地方の学校に行けば行くほど保護者のお母さんたちはみんな仕事を持ち、働いています。そして家事も子育ても介護も全部一人で背負って苦労しています。もうこんな苦労は次の世代の子供たちにはさせたくない」と。「そのために私は、男女は平等であると教えています」と。本陳情は、ジェンダーフリーという言葉が使われており、さまざまな解釈のある方針は取るべきではないというのが不採択の理由として挙げられました。  であるとすれば、六月議会で採択されたジェンダーフリー教育を行わないよう求める陳情も、ジェンダーフリーという定着していない言葉が使われていたのでありますから、不採択すべきであったと考えられます。  本陳情のジェンダーフリーという言葉は、男性と女性との固定的な役割分担意識をなくすという意味で使われており、本県の男女共同参画推進条例の理念と合致しているのは、陳情の趣旨や理由を見れば明らかであります。  本来、その中身を十分に検討すべきことが、その使っている言葉でもって定義づけがなされていないという理由で判断されるのは、県民の信託を受けた議会として、取るべき態度ではないと考えます。  以上の理由から、本陳情は、採択すべきであることを主張し、私の討論を終わります。 22 ◯議長(溝口宏二君) 以上で、討論を終結いたします。       ─────────────    △ 表  決 23 ◯議長(溝口宏二君) これより、議案第九九号、議案第一〇八号及び議案第一一二号を除く議案等について採決いたします。  採決は、議案等採決区分表の採決順位により行います。       ─────────────    △ 議案第九四号等十三件可決・同意・承認 24 ◯議長(溝口宏二君) まず、採決順位第一の議案第九四号など十三件を採決いたします。       ━━━━━━━━━━━━━  議案第九四号、議案第九五号、議案第九六号  議案第九八号、議案第一〇〇号、議案第一〇一号  議案第一〇二号、議案第一〇三号、議案第一〇五号  議案第一〇九号、議案第一一〇号、議案第一一一号  専第七号       ━━━━━━━━━━━━━ 25 ◯議長(溝口宏二君) お諮りいたします。  委員長の報告は、可決、同意または承認でありますが、そのように決することに御異議ありませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり] 26 ◯議長(溝口宏二君) 御異議なしと認めます。  よって、これらの議案などは委員長報告のとおり可決、同意及び承認されました。       ─────────────    △ 議案第九七号等二件可決(採決) 27 ◯議長(溝口宏二君) 次に、採決順位第二の議案第九七号など二件を採決いたします。       ━━━━━━━━━━━━━  議案第九七号、議案第一〇四号       ━━━━━━━━━━━━━ 28 ◯議長(溝口宏二君) 委員長の報告は、可決でありますが、そのように決することに賛成の諸君の起立を求めます。    [賛成者起立] 29 ◯議長(溝口宏二君) 起立多数であります。  よって、これらの議案は委員長報告のとおり可決されました。       ─────────────    △ 議案第九二号等四件可決(採決) 30 ◯議長(溝口宏二君) 次に、採決順位第三の議案第九二号など四件を採決いたします。       ━━━━━━━━━━━━━  議案第九二号、議案第九三号、議案第一〇六号  議案第一〇七号       ━━━━━━━━━━━━━ 31 ◯議長(溝口宏二君) 委員長の報告は、可決でありますが、そのように決することに賛成の諸君の起立を求めます。    [賛成者起立] 32 ◯議長(溝口宏二君) 起立多数であります。  よって、これらの議案は委員長報告のとおり可決されました。       ─────────────    △ 議案第九九号等三件継続審査可決 33 ◯議長(溝口宏二君) お諮りいたします。  決算特別委員会に付託いたしました議案第九九号、議案第一〇八号及び議案第一一二号については、同特別委員長から、閉会中の継続審査の申し出がありましたが、そのように決することに御異議ありませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり]
    34 ◯議長(溝口宏二君) 御異議なしと認めます。  よって、これらの議案は、閉会中の継続審査とすることに決定いたしました。       ─────────────    △ 陳情第二〇〇九号等六件可決 35 ◯議長(溝口宏二君) 次に、請願・陳情について採決いたします。  採決は、請願・陳情採決区分表の採決順位により行います。  まず、採決順位第一の陳情第二〇〇九号など六件を採決いたします。  お諮りいたします。  これらの陳情は、委員長報告のとおり決することに御異議ありませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり] 36 ◯議長(溝口宏二君) 御異議なしと認めます。  よって、これらの陳情は委員長報告のとおり決定いたしました。       ─────────────    △ 陳情第一〇〇三号等三件継続審査可決 37 ◯議長(溝口宏二君) 次に、採決順位第二の陳情第一〇〇三号など三件を採決いたします。  お諮りいたします。  委員長の報告は、継続審査でありますが、そのように決することに御異議ありませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり] 38 ◯議長(溝口宏二君) 御異議なしと認めます。  よって、これらの陳情は委員長報告のとおり決定いたしました。       ─────────────    △ 陳情第三〇一九号可決(採決) 39 ◯議長(溝口宏二君) 次に、採決順位第三の陳情第三〇一九号を採決いたします。  この陳情は、委員長報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。    [賛成者起立] 40 ◯議長(溝口宏二君) 起立多数であります。  よって、この陳情は委員長報告のとおり決定いたしました。       ─────────────    △ 陳情第一〇〇四号等二件可決(採決) 41 ◯議長(溝口宏二君) 次に、採決順位第四の陳情第一〇〇四号など二件を採決いたします。  これらの陳情は、委員長報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。    [賛成者起立] 42 ◯議長(溝口宏二君) 起立多数であります。  よって、これらの陳情は委員長報告のとおり決定いたしました。       ─────────────    △ 請願第四〇〇一号可決(採決) 43 ◯議長(溝口宏二君) 次に、採決順位第五の請願第四〇〇一号を採決いたします。  この請願は、委員長報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。    [賛成者起立] 44 ◯議長(溝口宏二君) 起立多数であります。  よって、この請願は委員長報告のとおり決定いたしました。       ─────────────    △ 陳情第四〇〇三号可決(採決) 45 ◯議長(溝口宏二君) 次に、採決順位第六の陳情第四〇〇三号を採決いたします。  この陳情は、委員長報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。    [賛成者起立] 46 ◯議長(溝口宏二君) 起立多数であります。  よって、この陳情は委員長報告のとおり決定いたしました。       ─────────────    △ 陳情第三〇二二号可決(採決) 47 ◯議長(溝口宏二君) 次に、採決順位第七の陳情第三〇二二号を採決いたします。  この陳情は、委員長報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。    [賛成者起立] 48 ◯議長(溝口宏二君) 起立多数であります。  よって、この陳情は委員長報告のとおり決定いたしました。       ─────────────    △ 陳情第一〇〇五号等二件可決(採決) 49 ◯議長(溝口宏二君) 次に、採決順位第八の陳情第一〇〇五号など二件を採決いたします。  これらの陳情は、委員長報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。    [賛成者起立] 50 ◯議長(溝口宏二君) 起立多数であります。  よって、これらの陳情は委員長報告のとおり決定いたしました。       ─────────────    △ 陳情第四〇一四号等二件可決(採決) 51 ◯議長(溝口宏二君) 次に、採決順位第九の陳情第四〇一四号など二件を採決いたします。  これらの請願・陳情は、委員長報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。    [賛成者起立] 52 ◯議長(溝口宏二君) 起立多数であります。  よって、これらの請願・陳情は委員長報告のとおり決定いたしました。       ─────────────    △ 陳情第二〇〇六号等六件継続審査可決(採決) 53 ◯議長(溝口宏二君) 次に、採決順位第十の陳情第二〇〇六号など六件を採決いたします。  委員長の報告は継続審査でありますが、そのように決することに賛成の諸君の起立を求めます。    [賛成者起立] 54 ◯議長(溝口宏二君) 起立多数であります。  よって、これらの陳情は委員長報告のとおり決定いたしました。       ─────────────    △ 陳情第五〇一九号継続審査可決(採決) 55 ◯議長(溝口宏二君) 次に、採決順位第十一の陳情第五〇一九号を採決いたします。  委員長の報告は継続審査でありますが、そのように決することに賛成の諸君の起立を求めます。    [賛成者起立] 56 ◯議長(溝口宏二君) 起立多数であります。  よって、この陳情は委員長報告のとおり決定いたしました。       ─────────────    △ 陳情第五〇一七号継続審査可決(採決) 57 ◯議長(溝口宏二君) 次に、採決順位第十二の陳情第五〇一七号を採決いたします。  委員長の報告は継続審査でありますが、そのように決することに賛成の諸君の起立を求めます。    [賛成者起立] 58 ◯議長(溝口宏二君) 起立多数であります。  よって、この陳情は委員長報告のとおり決定いたしました。       ─────────────    △ 陳情第五〇〇九号等二件継続審査可決(採決) 59 ◯議長(溝口宏二君) 次に、採決順位第十三の陳情第五〇〇九号など二件を採決いたします。  委員長の報告は継続審査でありますが、そのように決することに賛成の諸君の起立を求めます。    [賛成者起立] 60 ◯議長(溝口宏二君) 起立多数であります。  よって、これらの陳情は委員長報告のとおり決定いたしました。       ─────────────    △ 陳情第三〇〇二号等六件継続審査可決(採決) 61 ◯議長(溝口宏二君) 次に、採決順位第十四の陳情第三〇〇二号など六件を採決いたします。
     委員長の報告は継続審査でありますが、そのように決することに賛成の諸君の起立を求めます。    [賛成者起立] 62 ◯議長(溝口宏二君) 起立多数であります。  よって、これらの陳情は委員長報告のとおり決定いたしました。       ─────────────    △ 陳情第五〇一四号等二件継続審査可決(採決) 63 ◯議長(溝口宏二君) 次に、採決順位第十五の陳情第五〇一四号など二件を採決いたします。  委員長の報告は継続審査でありますが、そのように決することに賛成の諸君の起立を求めます。    [賛成者起立] 64 ◯議長(溝口宏二君) 起立多数であります。  よって、これらの陳情は委員長報告のとおり決定いたしました。       ─────────────    △ 陳情第五〇〇六号継続審査可決(採決) 65 ◯議長(溝口宏二君) 次に、採決順位第十六の陳情第五〇〇六号を採決いたします。  委員長の報告は継続審査でありますが、そのように決することに賛成の諸君の起立を求めます。    [賛成者起立] 66 ◯議長(溝口宏二君) 起立多数であります。  よって、この陳情は委員長報告のとおり決定いたしました。       ─────────────    △ 陳情第一〇〇五号継続審査可決(採決) 67 ◯議長(溝口宏二君) 次に、採決順位第十七の陳情第一〇〇五号を採決いたします。  委員長の報告は継続審査でありますが、そのように決することに賛成の諸君の起立を求めます。    [賛成者起立] 68 ◯議長(溝口宏二君) 起立多数であります。  よって、この陳情は委員長報告のとおり決定いたしました。       ─────────────    △ 陳情第三〇〇三号等四件継続審査可決(採決) 69 ◯議長(溝口宏二君) 次に、採決順位第十八の陳情第三〇〇三号など四件を採決いたします。  委員長の報告は継続審査でありますが、そのように決することに賛成の諸君の起立を求めます。    [賛成者起立] 70 ◯議長(溝口宏二君) 起立多数であります。  よって、これらの陳情は委員長報告のとおり決定いたしました。       ─────────────    △ 請願第五〇〇二号等十一件継続審査可決(採      決) 71 ◯議長(溝口宏二君) 次に、採決順位第十九の請願第五〇〇二号など十一件を採決いたします。  委員長の報告は継続審査でありますが、そのように決することに賛成の諸君の起立を求めます。    [賛成者起立] 72 ◯議長(溝口宏二君) 起立多数であります。  よって、これらの請願・陳情は委員長報告のとおり決定いたしました。       ─────────────    △ 閉会中継続審査申出可決 73 ◯議長(溝口宏二君) 次に、閉会中の継続審査の件を議題といたします。  お諮りいたします。  各常任委員長及び議会運営委員長から、配付いたしております申出書のとおり、閉会中の継続審査の申し出がありましたが、そのように決することに御異議ありませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり] 74 ◯議長(溝口宏二君) 御異議なしと認めます。  よって、申出書のとおり、閉会中の継続審査とすることに決定いたしました。       ─────────────    △ 意見書案上程 75 ◯議長(溝口宏二君) 次に、意見書案「さとうきび政策に関する意見書」など八件が提出されておりますので、これらを一括議題といたします。  案文は、配付いたしておりますので、朗読を省略いたします。       ━━━━━━━━━━━━━    意 見 書(案)   さとうきび政策に関する意見書  さとうきびは、当県南西諸島の基幹作物として農家経営と地域経済を支えるとともに、地域の農地や環境の保全機能を有する一方、我が国の甘味資源の安定供給を担うなど、多面的な役割を果たしている極めて重要な作物である。  しかしながら、当地域は、常襲的な台風や干ばつによる被害、病害虫の周年発生など生産条件の不利地域であるとともに、生産農家の高齢化や担い手不足、土地基盤整備の遅れなど、依然として厳しい状況下にある。  また、WTO農業交渉やFTA(自由貿易協定)をめぐる動きが活発化しており、今後、生産者並びに甘しゃ糖企業への影響が懸念されているところである。  このような中で、当県においては、関係機関・団体一体となって、品質取引の円滑な推進と機械化一貫体系の確立・普及等の生産性及び品質向上対策を強力に推進するとともに、甘しゃ糖企業の合理化についても鋭意取り組んでいるところである。  よって、政府におかれては、このような地域の実情を十分勘案の上、今後とも、さとうきび並びに甘しゃ糖生産の維持・増大と生産者の経営安定を図るため、左記事項について特段の配慮をされるよう強く要望する。             記 一 国内の甘味資源作物及び糖業の持続的な発展を図る  観点から、WTO農業交渉及びFTA(自由貿易協定)  交渉においては、現行関税率やアクセス水準等の国境  措置並びに国内支持を堅持すること。 二 さとうきびの安定生産の確保や生産性の向上並びに  甘しゃ糖生産のコスト削減に向けた取り組みを強化す  るため、現行「新さとうきび・糖業再活性化事業」に  代わる新たな事業を創設・拡充すること。 三 さとうきびの生産性向上と安定的生産を図るため、  水資源の確保や土地基盤整備、土づくりの推進、優良  種苗の増殖・低コスト供給等生産条件の整備に必要な  事業費枠を確保すること。 四 地域の実情に即した機械化一貫体系の確立・普及に  必要な高性能機械やトラッシュ除去装置の開発と実用  化を推進すること。 五 さとうきびの安定的生産を確保するため、カンシャ  クシコメツキ類等の病害虫防除対策について引き続き  助成措置を講ずること。 六 さとうきびの生産性及び品質の向上を図るため、地  域に適した優良品種の育成や種苗の大量増殖技術、高  品質栽培技術及び病害虫防除技術の確立など、試験研  究の充実・強化を図ること。  以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。   平成十五年十月七日          鹿児島県議会議長 溝 口 宏 二 内閣総理大臣  殿 総 務 大 臣 殿 財 務 大 臣 殿 農林水産大臣  殿 経済産業大臣  殿  右記のとおり発議する。   平成十五年十月七日          鹿児島県議会議員 松 里 保 廣             〃     くしげ 勝 美             〃     岩 崎 昌 弘             〃     高 橋   稔             〃     武   昭 一             〃     栄   和 弘             〃     山 本 求 之
                〃     中 村   眞             〃     田 原 鉄 可             〃     溝 口 宏 二       ─────────────    意 見 書(案)   甘しょ及び甘しょでん粉政策に関する意見書  甘しょは、防災営農や輪作体系のうえから当県畑作農業の基幹作物であるとともに、地域経済を支える極めて重要な作物である。  しかしながら、生産農家の高齢化や機械化の遅れなどから、作付面積が減少傾向にあり、また、甘しょの生産者価格並びに国内産でん粉価格は引き下げ基調にあることやWTO農業交渉における抱き合わせ販売の仕組みの取扱いなど先行きに対する不安感から、甘しょ作農業に対する将来展望が持てない状況にある。  このような中で、当県においては、でん粉の需給動向に即した計画的生産に努めるとともに、優良品種の普及、機械化の促進等による生産性の向上、低コスト化を推進しているところである。  よって、政府におかれては、このような地域の実情を十分勘案の上、将来にわたり甘しょ及び甘しょでん粉生産の維持・拡大と生産者の経営安定を図るため、左記事項について特段の配慮をされるよう強く要望する。             記 一 WTO農業交渉においては、現行の関税率やアクセ  ス水準等の国境措置を堅持するとともに、関税割当制  度に基づくコーンスターチ用とうもろこしと国内いも  でん粉の抱き合わせ販売の仕組みを堅持し、抱き合わ  せ比率の維持を含め、適切な運用を図ること。 二 FTA(自由貿易協定)交渉においては、自給率の  低い現状等を踏まえ、シンガポール方式を基本とし、  でん粉については、関税撤廃の例外品目とすること。 三 優良品種の普及や機械化の推進など生産振興対策を  強化すること。 四 でん粉工場の生産性向上や環境対策を円滑にするた  め、近代化施設の整備に対する支援措置を講ずること。  以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。   平成十五年十月七日          鹿児島県議会議長 溝 口 宏 二 内閣総理大臣  殿 総 務 大 臣 殿 財 務 大 臣 殿 農林水産大臣  殿 経済産業大臣  殿  右記のとおり発議する。   平成十五年十月七日          鹿児島県議会議員 松 里 保 廣             〃     くしげ 勝 美             〃     岩 崎 昌 弘             〃     高 橋   稔             〃     武   昭 一             〃     栄   和 弘             〃     山 本 求 之             〃     中 村   眞             〃     田 原 鉄 可             〃     溝 口 宏 二       ─────────────    意 見 書(案)   高規格幹線道路の早期整備を求める意見書  高規格幹線道路は、国土のグランドデザインの一環として、国が位置付けたもので、ネットワーク化された時にその効果が発揮され、定住と交流を促進し、個性ある地域の発展を図るための最も重要な社会基盤である。  特に、南に開かれた地理的特性や錦江湾、桜島など恵まれた観光資源を活かし、アジアに広がる南の拠点「かごしま」の形成を目指す当県にとっては、陸・海・空の基幹的な広域交通拠点の連携を強化する高速道路の整備は極めて重要な課題であり、県勢の浮揚発展を図るうえで必要不可欠であることから、その一日も早い完成を県民等しく熱望しているところである。  しかしながら、昨年十二月に出された道路関係四公団民営化推進委員会の意見書の内容は、ネットワークの一体的整備を阻害する地域分割や便宜主義的な組織統合など、債務返済最優先と採算性を重視したもので、実質的に建設続行を不可能とするものであり、到底受け入れられないものである。  また、この意見書を基本的に尊重するとの方針のもと、新直轄方式の導入や道路関係四公団の民営化に向けた検討が進められており、現段階ではいずれについても不透明な状況にあるが、これらの結果によって、これから本格的な高速道路の整備を待ち望み、高速道路を基本とした各種振興プロジェクトを進めてきている地方の実態や高速道路のネットワークの重要性が無視されることは、絶対にあってはならない。  よって、国会及び政府におかれては、地方の道路整備の実情を十分にご賢察の上、次の事項について特段の措置を講じられるよう強く要望する。             記 一 高規格幹線道路網一万四千kmの形成は国土政策の根  幹にかかわるものであり、国の責任において計画的な  整備を図ること。 二 高速自動車国道については、料金収入を最大限に活  用し、整備計画区間九千三百四十二kmを早期に整備し、  国土開発幹線自動車道建設法等に定められた予定路線  である、一万一千五百二十kmの整備を着実に推進する  こと。また、一般国道自動車専用道路として位置付け  られた二千四百八十kmの整備推進を図ること。 三 道路特定財源の安定的確保や全国料金プール制の堅  持などにより、地方に新たな負担増を求めることなく、  国の責任において、当県の東九州自動車道や南九州西  回り自動車道等の高規格幹線道路を計画どおり早期に  整備すること。 四 国土開発幹線自動車道建設会議を早期に開催して、  高速道路の未供用部分約二千百kmの扱いを明らかにす  ること。また、新直轄方式の施行にあたっては、地方  の意見が十分に反映された路線選定を行うこと。 五 道路関係四公団の民営化にあたっては、いささかも  国民の利益を損なうことなく、高速道路ネットワーク  の整備推進並びにその利用促進に資するものとなるよ  う十分配慮すること。  以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。   平成十五年十月七日          鹿児島県議会議長 溝 口 宏 二 衆議院議長   殿 参議院議長   殿 内閣総理大臣  殿 行政改革担当大臣 殿 金融経済財政担当大臣 殿 総 務 大 臣 殿 財 務 大 臣 殿 国土交通大臣  殿  右記のとおり発議する。   平成十五年十月七日          鹿児島県議会議員 前 原   尉             〃     酒 匂 卓 郎             〃     永 井 章 義             〃     外 薗 勝 蔵             〃     福 山 秀 光             〃     成 尾 信 春             〃     小 幡 兼 興             〃     柴 立 鉄 彦             〃     山 田 国 治       ─────────────    意 見 書(案)   義務教育費国庫負担制度の在り方に関する意見書  義務教育費国庫負担制度は、義務教育無償の原則に則り、教育の機会均等とその水準の維持向上を図ることを目的としており、現行教育制度の重要な根幹をなしている。
     しかしながら、政府においては、義務教育費国庫負担制度を見直し、平成十五年度から、共済費長期給付負担金等が一般財源化されたところである。  さらに、経済財政諮問会議の「経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇三」(いわゆる「骨太の方針第三弾」)によれば、平成十八年度末までに国庫負担金全額についても、一般財源化等を含めた見直しの検討を行うこととしている。  このような見直しが行われれば、当県は、離島や過疎地域において小規模校が多いことから、都市部に比べ、より多くの教員を配置せざるを得ない状況にあるが、このことが全く考慮されないこととなり、地方財政を圧迫するだけでなく、教育水準の低下や地域間の不均衡を生じさせるおそれがある。  また、「いじめ」「不登校」など、今日の教育を取り巻く厳しい状況を考えると、将来を担う子どもたちの豊かな教育の推進にも支障を来すことが憂慮される。  よって、子どもたちの健やかな発達を願い、確かな学力と生きる力を育てる教育の推進のため、政府におかれては、義務教育費国庫負担制度の基本理念や経緯・目的を十分ご賢察いただき、地方への負担転嫁による財政負担増などをもたらすことがないよう強く要請する。  以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。   平成十五年十月七日          鹿児島県議会議長 溝 口 宏 二 内閣総理大臣  殿 総 務 大 臣 殿 財 務 大 臣 殿 文部科学大臣  殿  右記のとおり発議する。   平成十五年十月七日          鹿児島県議会議員 吉 野 正二郎             〃     川 上 明 哲             〃     吉 留 厚 宏             〃     まつざき 真琴             〃     持 冨 八 郎             〃     鶴 田 志 郎             〃     山 口   修             〃     鶴 薗 真佐彦             〃     打 越 あかし             〃     上 村 勝 行             〃     尾 辻   義       ─────────────    意 見 書(案)   私学助成制度の充実強化に関する意見書  当県の私立学校は、建学の精神と独自の教育理論に立脚し、新しい時代に対応した特色ある教育を展開しており、当県学校教育の振興発展に大きな役割を果たしている。  しかしながら、多様な教育ニーズに応えるための教育施設・設備の充実等を求められているなか、出生率の低下による生徒数の大幅な減少や長引く景気低迷は、私立学校の経営基盤をも大きく揺るがすものとして憂慮している。  このようなことから、私立学校振興助成法第一条に規定するとおり、学校教育における私立学校の果たす重要性と現状を認識して、教育条件の維持向上と保護者の経済的負担の軽減を図るなど、私立学校の健全な発達に資することが肝要である。  よって、国会及び政府におかれては、平成十六年度の予算編成にあたり、現行、私立高等学校等経常費助成費補助金等概算要求額の満額確保を図るなど、私学助成制度の一層の拡充強化が講じられるよう強く要望する。  以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。   平成十五年十月七日          鹿児島県議会議長 溝 口 宏 二 衆議院議長   殿 参議院議長   殿 内閣総理大臣  殿 総 務 大 臣 殿 財 務 大 臣 殿 文部科学大臣  殿  右記のとおり発議する。   平成十五年十月七日          鹿児島県議会議員 吉 野 正二郎             〃     川 上 明 哲             〃     吉 留 厚 宏             〃     まつざき 真琴             〃     持 冨 八 郎             〃     鶴 田 志 郎             〃     山 口   修             〃     鶴 薗 真佐彦             〃     打 越 あかし             〃     上 村 勝 行             〃     尾 辻   義       ─────────────    意 見 書(案)   防衛庁を「省」に昇格することを求める意見書  今日、我が国の防衛に自衛隊の果たす役割については、国民的合意として定着している。自衛隊の主たる任務である我が国の防衛と安全の確保に加えて、大規模災害等各種の事態への対応及びより安定した安全保障環境の構築への貢献が国民に強く求められている。  このような中で、当県の奄美大島沖で沈没した北朝鮮の工作船など日本近海における武装工作船の出没や北朝鮮の核開発、国際テロとの戦いなど緊迫した国際情勢の中で、有事法制関連三法やイラク人道復興支援特別措置法の成立、テロ対策特別措置法の改正の国会提出など、我が国における自衛隊の任務の重要性がますます増大している。  特に当県は、本土の最南端に位置し、南北約六百キロメートルの広大な県土と長い海岸線、多くの外海離島など地理的な特徴を持つことによる国土保全上の問題、また災害多発地域であることから自衛隊に対する県民の期待は大きなものがある。  現在、防衛庁は、大臣が置かれているものの、組織としては内閣府の外部組織に位置づけられているにすぎず、一方、主要各国では、国防組織は「省」となっている。  我が国を取り巻く厳しい環境の中、国の防衛と安全の基本的な位置づけとして、防衛庁を「省」に昇格し、安全保障や危機管理に的確に対応する体制を構築するとともに、国際的にも積極的な役割を果たしていくことが必要である。  よって、国会及び政府におかれては、防衛庁の「省」昇格を早期に実現されるよう強く要望する。  以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。   平成十五年十月七日           鹿児島県議会議長 溝 口 宏 二 衆議院議長   殿 参議院議長   殿 内閣総理大臣  殿 防衛庁長官   殿  右記のとおり発議する。   平成十五年十月七日          鹿児島県議会議員 山 本 求 之             〃     高 橋   稔             〃     武   昭 一             〃     山 口   修             〃     鶴 薗 真佐彦             〃     小 幡 兼 興             〃     本 坊 輝 雄             〃     柴 立 鉄 彦             〃     中 村   眞             〃     田之上 耕 三             〃     平 瀬 新一郎       ─────────────    意 見 書(案) 若年者をはじめとした雇用対策の充実強化を求める意見書  我が国経済は、バブル崩壊以来、長期にわたって低迷が続いており、雇用情勢についても、完全失業率が二十五ヶ月連続して五%台で推移し、有効求人倍率も低水準で推移するなど依然として厳しい状況にある。  特に、十五歳から二十四歳の若年者の完全失業率は、男性で十二・〇%、女性で七・九%に達し極めて深刻な事態となっている。  また、平成十五年版「国民生活白書」によると、十五歳以上三十四歳までの学生、主婦を除く若年のうち、パート・アルバイト及び働く意志のある無職の人(いわゆるフリーター)は一九九〇年の百八十三万人から年々増加し、二〇〇一年には四百十七万人となり、同年齢層の五人に一人がフリーターとなっている。  このような状況を放置すれば、フリーター自身の不利益はもちろん、我が国の生産性や国際競争力の低下等といった経済基盤の崩壊、ひいては犯罪の増加などの社会不安、経済基盤が弱いことによる未婚化、晩婚化、少子化など大きな社会問題を惹起することが懸念される。  このような中、当県においては、「緊急雇用対策本部」を設置し、若年者の就職促進対策等に取り組んでいるが、厳しい雇用情勢が続く中、さらに総合的な対策の充実が求められる。  よって、国会及び政府におかれては、地域の実情に即した雇用対策の充実と、特に厳しい状況にある若年者に対する支援を一層強化するため、左記の事項に積極的に取り組まれるよう強く要望する。             記 一 創業支援など新たな雇用機会の創出等を図り、各種  助成制度の充実により雇用のセーフティネットをさら  に拡充するとともに、地域における独自の雇用創出等  への取り組みに対する一層の支援拡大を図ること。 二 在学生、無業者、若年失業者、フリーター等、若年  者に対する雇用対策の充実強化を図るとともに、地域  の実情に応じた取り組みへの一層の支援拡大を図るこ
     と。  以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。   平成十五年十月七日          鹿児島県議会議長 溝 口 宏 二 衆議院議長   殿 参議院議長   殿 内閣総理大臣  殿 財 務 大 臣 殿 文部科学大臣  殿 厚生労働大臣  殿  右記のとおり発議する。   平成十五年十月七日          鹿児島県議会議員 山 本 求 之             〃     桐 原 琢 磨             〃     まつざき 真琴             〃     高 橋   稔             〃     武   昭 一             〃     山 口   修             〃     鶴 薗 真佐彦             〃     栄   和 弘             〃     小 幡 兼 興             〃     本 坊 輝 雄             〃     柴 立 鉄 彦             〃     上 村 勝 行             〃     中 村   眞             〃     黒 田 清 信             〃     田之上 耕 三             〃     平 瀬 新一郎       ─────────────    意 見 書(案) イラクへの自衛隊派兵を中止することを求める意見書  政府は米国の強い要請をうけ、年内にもイラクへの自衛隊派兵を行う方針であると伝えられている。しかし、イラク全土どこも安全な地帯はないと米軍の司令官自身が認めているように、イラクの治安情勢は悪化の一途をたどり、まさに泥沼化の様相を呈している。  米兵の死者は、ブッシュ大統領が五月一日に大規模の戦闘終結を宣言して以降、百七十人をこえ、それまでの百三十八人を大きく上回っている。米軍の不当な占領に対する抵抗や暴力の広がりは、米軍以外の軍隊や国連の現地事務所まで襲撃の対象とされるなどの深刻な事態を招いている。  米英によるイラク攻撃の最大の口実とされた大量破壊兵器は未だ見つからず、五月から捜索にあたってきた千四百人規模のアメリカ調査団でさえ、「大量破壊兵器は見つからなかった」という中間報告を行った。イラク戦争は国連憲章違反の侵略戦争であり、無法な戦争であったことはもはや明らかである。小泉内閣のイラク戦争支持の根拠は完全に崩れ去っている。  無法な戦争への支持に固執し続け、不法な占領支配が行われているイラクに自衛隊を派兵し、米英軍の軍事占領を直接支援することは、文字通りの参戦であり、武力による威嚇と武力行使を禁じた憲法に違反することはあまりにも明白である。無法な占領支配の共犯者として、アラブ・イスラムの人々全体を敵にまわすことにもなりかねない。  よって、鹿児島県議会は、憲法違反のイラクへの自衛隊派兵は中止することを強く要求する。  以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。   平成十五年十月七日          鹿児島県議会議長 溝 口 宏 二 内閣総理大臣  殿 外 務 大 臣 殿 防衛庁長官   殿  右記のとおり発議する。   平成十五年十月七日          鹿児島県議会議員 桐 原 琢 磨             〃     まつざき 真琴             〃     栄   和 弘             〃     上 村 勝 行       ━━━━━━━━━━━━━    △ 提案理由説明 76 ◯議長(溝口宏二君) まず、高橋稔君に「防衛庁を『省』に昇格することを求める意見書案」について、提案理由の説明を求めます。    [高橋 稔君登壇] 77 ◯高橋 稔君 私は、自由民主党県議団を代表して、「防衛庁を『省』に昇格することを求める意見書案」の提案理由を述べさせていただきます。  国家として最も大事なことは、国の平和と独立を確保し、国民の生命と財産を守ることであり、そのための国の防衛は、国家の基本政策であると思います。  小泉政権も自衛隊のあり方、防衛政策を最重要課題としております。  国会における所信表明演説でも、「『地にいて乱を忘れず』は政治の要諦、一たん国家、国民に危機が迫った場合にどういう体制を取るべきかを検討することは、政治の責任である」とも述べているのであります。  近年、国内的には、阪神・淡路大震災を初め、各地の災害派遣に自衛隊は多大の功績を残しております。  また、地下鉄サリン事件や奄美大島沖で沈没した北朝鮮の工作船など不審船事案などにも自衛隊が緊急出動しており、国民の生命・財産の保護のための自衛隊の活動が以前にも増して必要となってきているのであります。  国際的には、湾岸戦争が契機となって国際貢献論議が高まり、海上自衛隊の掃海艇派遣、その後のPKO法の成立で、自衛隊のPKO派遣や人道支援活動も活発に行われるようになってきております。  また、イラク戦争の終結により、イラクに対する人道支援のための自衛隊派遣も求められております。  さらに、冷戦後の世界では、北朝鮮の核開発やミサイル開発、九・一一テロ事件を契機に国際的なテロといった新たな脅威への対応もあり、この面で国際的にも我が国の世界平和への貢献が求められております。  特に本県は、本土の最南端に位置し、南北約六百キロメートルの広大な県土と長い海岸線、多くの外海離島など地理的な特徴を持っており、このことによる国土保全上の問題、また、台風や豪雨などの災害多発地域であることや、自衛隊機による離島からの急患搬送が多いことから、自衛隊に対する県民の期待は極めて大きなものがあります。  このように自衛隊の任務は増大し、国民の信頼と期待は高まってきており、国政において防衛の重要性は増してきているのであります。  しかしながら、我が国の防衛を担当している防衛庁は、財務省や外務省などと違って、国の行政機関の中では、内閣府の外局として各省よりも一段低く位置づけられております。  国防は、国家として国民に対して果たすべき責務の最たるものであり、国防を所管する国の行政機関を我が国のように他の行政機関より一段低い「庁」に位置づけている国は、世界の主要国では見られないのであります。  米国、英国、フランス、ドイツといった欧米主要国のみならず、ロシア、中国、韓国などの我が国周辺諸国についても、国防を担当する組織が「庁」という形を取っている国はなく、財政、外交等を担当する他の行政機関と同等の位置づけとなっております。  現在、防衛庁は内閣府の外局であるため、防衛庁長官は、国民の安全確保や国の危機管理のための防衛出動、治安出動や海上警備行動などといった自衛隊の運用、法律の制定、人事などについて閣議を求めることができないことになっており、また、予算の要求や執行を財務大臣に求めることもできないのであります。  国の防衛という重要な任務を担当する行政機関である防衛庁を「庁」のままにしておくことは、我が国が安全保障や危機管理への取り組みを軽視していると受け取られかねません。  国として、安全保障や危機管理に取り組む体制を強化して、これを重視している姿勢を目に見える形で内外に示すためには、防衛庁を防衛省に昇格させることにより、財務省や外務省などと同様に「省」と位置づけることが不可欠な要件であろうと思うのであります。  ところで、防衛庁を防衛省にすると、「軍国主義復活や自衛隊の増強につながるのではないか」との声があります。  現在、提出されている設置法案は、防衛庁を現在の任務に変更を加えずに「省」に昇格させるものであり、これにより、防衛庁長官は防衛大臣となり、各省大臣と同様に主任の大臣としての権限を持つこととなりますが、内閣の首長としての内閣総理大臣の権限を含め、シビリアンコントロールの枠組みが変更されるわけではなく、軍国主義の復活にはならないと考えます。  また、我が国は、憲法のもと、昭和三十二年に閣議決定された国防の基本方針を受けて、専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国にはならないとの基本理念に従い、日米安保体制を堅持するとともに、非核三原則を守りつつ、節度ある防衛力を自主的に整備しておりますが、この基本方針に「省」に昇格したから変わるといったものでもありません。  また、「防衛庁を防衛省にすると、我が国の周辺諸国に反発を招くのではないか」との声も聞かれます。我が国の行政機関のあり方は、我が国が主体的に決定すべき問題であり、諸外国の意向に左右されるべきものではありませんし、軍国主義復活を目指すというものではないと思います。  また、現在の我が国は、米国との緊密な協議に加えて、世界各国との信頼関係の構築を目的として防衛交流を活発に行っており、国防組織を「庁」のままにしておくことの方が、我が国の安全保障や危機管理への取り組みを軽視しているといった誤ったメッセージを与えることになりかねないと思うのであります。  我が国を取り巻く環境が厳しいとき、自衛隊の任務が増大し、国の内外からの期待がますます高まるなど、国政の中における防衛の重要性が増大している中で、国民、県民に安心感を与え、各種の施策を強力に推進していくためには、防衛庁の「省」昇格への早期実現を図ることが必要であることを強く訴え、提案理由の説明といたします。 78 ◯議長(溝口宏二君) 次は、まつざき真琴君に「イラクへの自衛隊派兵を中止することを求める意見書案」について、提案理由の説明を求めます。    [まつざき真琴君登壇] 79 ◯まつざき真琴君 私は、「イラクへの自衛隊派兵を中止することを求める意見書案」について、発議者を代表して、提案理由を申し上げます。  政府は、米国の強い要請を受け、百人規模の自衛隊先遣隊を十二月にもイラクに派遣する方針を決めました。その後、年明けにも過去のPKOと比較して最大規模となる六百から七百人程度の派遣準備に入るとされています。  しかし、イラク全土どこでも安全な地帯はないと、米軍の司令官自身が認めているように、イラクの治安情勢は悪化の一途をたどり、まさに泥沼化しています。  米兵の死者は、ブッシュ大統領が五月一日に大規模の戦闘終結を宣言して以降、百七十人を超え、それまでの百三十八人を大きく上回っています。  米軍の不当な占領に対する抵抗や暴力の広がりは、米軍以外の軍隊や国連の現地事務所まで襲撃の対象とされるなど深刻な事態となっています。  また、イラク攻撃の最大の口実とされた大量破壊兵器について、千四百人規模のアメリカの調査団は、今月二日、大量破壊兵器は見つからなかったという中間報告を行いました。  国連のアナン事務総長も、九月二十三日の国連総会の演説で、名指しこそしなかったものの、イラクに対する無法な戦争を行った米・英両国が主張する先制攻撃と単独行動の論理について、国連憲章への根本的な挑戦と批判しています。イラク戦争が国連憲章違反の侵略戦争であり、無法な戦争であったことは明白であります。  このような無法な戦争への指示に固執し続け、不法な占拠が行われているイラクに自衛隊を派兵し、米・英軍の軍事占領を直接支援することは、文字どおりの参戦であり、武力による威嚇と武力行使を禁じた憲法に違反することは明白です。  また、無法な占領支配の共犯者として、アラブ、イスラムの人々全体を敵に回すことにもなりかねません。  よって、憲法違反のイラクへの自衛隊派兵は、中止することを強く要求する意見書を提出することを提案するものです。  以上で、提案理由の説明を終わります。       ───────────── 80 ◯議長(溝口宏二君) お諮りいたします。  ただいま提案理由の説明のあった意見書案を除く意見書案の提案理由の説明及び提出されているすべての意見書案の委員会付託は、会議規則第三十九条第二項の規定によって、これらを省略し、直ちに本会議で審議いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり] 81 ◯議長(溝口宏二君) 御異議なしと認めます。  よって、そのように決定いたしました。  御質疑はありませんか。    [「なし」と呼ぶ者あり] 82 ◯議長(溝口宏二君) 御質疑もありませんので、質疑は終結いたします。       ─────────────    △ 討  論 83 ◯議長(溝口宏二君) これより討論に入ります。
     通告に従って、順次発言を許可いたします。  まず、福山秀光君に発言を許可いたします。    [福山秀光君登壇] 84 ◯福山秀光君 「防衛庁を『省』に昇格することを求める意見書案」が提出されて、ただいま提案理由説明がありましたが、私は、社民・無所属連合を代表して、これに反対するものであります。  日本国民は、政府の行為によって、再び戦争の惨禍が起きることのないように決意して、「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」との崇高な理想と目的を掲げた憲法を持っております。  憲法は、国の基本法であり、国の最高法規であります。私どもは、自衛隊が我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つために専守防衛の範囲で自衛権を行使することは当然であり、あるいは大地震や豪雨災害時において人命救助や災害復旧等に重要な任務を負って活動していることは十分承知しております。  意見書の中では、「主要各国では、国防組織は『省』となっている」と述べております。  しかし、我が国の憲法は、第二次世界大戦の反省の上に立ってつくられており、他の国と同じような扱いをすることにはなりません。国際貢献を口実にした自衛隊の海外派遣が常態化し、イラク特措法では、国連事務所までが襲撃を受けている戦場に自衛隊員を送り込み、自衛隊が戦争に巻き込まれて被害を受けたり、相手を殺すことまで小泉総理は肯定しております。  こうした動きは、アメリカに追随して専守防衛の枠を超え、集団的自衛権の行使まで踏み出すものと言わざるを得ません。  自衛隊の指揮監督権は、自衛隊法第七条によれば、内閣総理大臣が内閣を代表して自衛隊の最高の指揮監督権を有すると定めております。  これは、さきの対戦の反省の上に立って、シビリアンコントロールの理念を日本国憲法の精神に沿って具体化したものであると言えます。  それは、単に内閣総理大臣や政府にシビリアンを充てるというだけでなく、国家の主権者である国民が、軍事も構成するという民主主義の原則を踏まえたものであり、今日までその機能を十分果たしてきているのであります。  意見書が、今後増加する国際貢献の任務遂行に支障があるから、「省」への昇格を求めるということが目的であり、そのために法律の制定や予算要求に発言力、行動力を確保することが必要になっているというのであれば、シビリアンコントロールの形骸化に道を開くおそれがあり、「省」への昇格に賛成することはできません。  したがって、意見書に我が会派は反対であることを明確に申し上げます。  終わります。 85 ◯議長(溝口宏二君) 次は、まつざき真琴君に発言を許可いたします。    [まつざき真琴君登壇] 86 ◯まつざき真琴君 私は、ただいま提案されました意見書案のうち、「防衛庁を『省』に昇格することを求める意見書案」についてと、「高規格幹線道路の早期整備を求める意見書案」について反対し、討論いたします。  まず、「防衛庁を『省』に昇格することを求める意見書案」についてでありますが、これは先ほど、陳情に対する委員長報告についての反対討論でも述べましたが、日本は、太平洋戦争において、アジア太平洋の各地で二千万人、日本人三百三十万人の犠牲者を出しました。その反省の上に立ち、日本国憲法は第九条で「武力による威嚇又は武力の行使を永久に放棄すること。国の交戦権は、これを認めない」としています。  本意見書案に反対する第一の理由は、自衛隊が憲法違反の存在であるということです。世界でも有数の巨額の軍事費をのみ込み、最新鋭の現代兵器で武装した軍隊を戦力ではない自衛力などと言ってごまかす解釈憲法は、もはや到底成り立ちません。  第二に、災害対策など本県の地理的特徴から自衛隊に求められる役割があるとしても、本来、防衛庁の昇格とは関係ないということです。  第三に、他国と比較しての「省」への昇格は、平和憲法を持つ日本と他の国々を比較すること自体が問題であるということです。  第四に、国の防衛と安全保障のために必要なことは、防衛庁を「省」に昇格して権限を強めることではなく、現在のようなアメリカ追従の安保外交政策から自主的方向に転換すること。アジアの一国として、アジア諸国との平和と友好の関係を重視し、アジア中心の平和外交を進めること。紛争問題は、軍事優先ではなく、話し合いによる平和解決、とりわけ国連中心の解決を重視することなどを日本政府として正面から進めることであります。  以上の理由から、本意見書案に反対するものであります。  次に、「高規格幹線道路の早期整備を求める意見書案」についてであります。  我が党は、高規格幹線道路をすべて否定するものではありません。そもそも高規格幹線道路であろうが、町道、市道、県道であろうが、それがそこの住民の生活にとって必要で、それによって住民の利便性が図られ、地域産業の活性化に結びつけば、その整備は急がれなければなりません。  しかし、この意見書で言う高規格幹線道路の早期整備は、それぞれの地域での検討もなしに整備を進めることであり、それはますます国と地方の財政を圧迫することにつながります。  日本道路公団の二〇〇二年度の収支によると、全国四十二の高速道路のうち半数の二十一が赤字、一般有料道路は六十三道路のうち二十三が赤字です。むだな高速道路建設が進む本体には、国土開発幹線自動車道建設審議会が決めた高速道路整備計画があります。  日本共産党は、この整備計画に唯一反対しました。総枠先にありきのやり方を改めて、高速道路整備計画を廃止し、新たな高速道路建設は一たん凍結し、抜本的に見直すべきです。  採算性がなくても地域経済や福祉、医療などの観点から、どうしても必要な高速道路については、赤字額などを公表し、国民の合意が得られるならば国の責任で建設すべきです。  現在、四公団合わせて四十兆円もの巨額債務を抱えています。四国との間に三本もの橋をかけたことが示すように、過大な交通量予測を立て、赤字路線も黒字路線も一緒にするずさんな収支計算をもとに建設を続けてきたからです。  日本共産党は、新たな国民負担や税金投入を避けるために、むだや浪費をなくして、計画的な債務返済を進めることを提案。そうすれば、通行料を段階的に引き下げるとともに、返済が終わった時点で高速道路を無料化できると主張しています。  国も地方も大変な財政危機に陥っている今、このような公共事業のあり方にもしっかりとメスを入れ、むだな公共事業をなくしていき、社会保障を予算の主役に据え、国民の生活不安を取り除く政治こそ、今求められているという立場に立ち、この意見書案には反対であることをを表明し、討論は終わります。 87 ◯議長(溝口宏二君) 以上で、討論は終結いたします。       ─────────────    △ 意見書案五件可決 88 ◯議長(溝口宏二君) これより、意見書案を採決いたします。  まず、「さとうきび政策に関する意見書案」、「甘しょ及び甘しょでん粉政策に関する意見書案」、「義務教育費国庫負担制度の存り方に関する意見書案」、「私学助成制度の充実強化に関する意見書案」、「若年者をはじめとした雇用対策の充実強化を求める意見書案」を採決いたします。  お諮りいたします。  これらの意見書案は、いずれも原案のとおり決することに御異議ありませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり] 89 ◯議長(溝口宏二君) 御異議なしと認めます。  よって、これらの意見書案は、いずれも原案のとおり可決されました。       ─────────────    △ 意見書案一件可決(採決) 90 ◯議長(溝口宏二君) 次に、「高規格幹線道路の早期整備を求める意見書案」を採決いたします。  この意見書案は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。    [賛成者起立] 91 ◯議長(溝口宏二君) 起立多数であります。  よって、この意見書案は原案のとおり可決されました。       ─────────────    △ 意見書案一件可決(採決) 92 ◯議長(溝口宏二君) 次に、「防衛庁を『省』に昇格することを求める意見書案」を採決いたします。  この意見書案は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。    [賛成者起立] 93 ◯議長(溝口宏二君) 起立多数であります。  よって、この意見書案は原案のとおり可決されました。       ─────────────    △ 意見書案一件否決(採決) 94 ◯議長(溝口宏二君) 次に、「イラクへの自衛隊派兵を中止することを求める意見書案」を採決いたします。  この意見書案は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。    [賛成者起立] 95 ◯議長(溝口宏二君) 起立少数であります。  よって、この意見書案は否決されました。  お諮りいたします。  ただいま可決されました意見書の字句の修正、提出手続などにつきましては、当席に一任いただきたいと思いますが、御異議ありませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり] 96 ◯議長(溝口宏二君) 御異議なしと認めます。  よって、そのように取り計らうことに決定いたしました。       ─────────────    △ 議員派遣の件上程 97 ◯議長(溝口宏二君) 次に、議員派遣の件を議題といたします。  お諮りいたします。  会議規則第百十八条第一項の規定によって、配付いたしておりますとおり議員を派遣いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり] 98 ◯議長(溝口宏二君) 御異議なしと認めます。  よって、そのように決定いたしました。  これで、今期定例会に提出されました議案などは、閉会中の継続審査として議決になりましたものを除き、全部議了いたしました。       ─────────────    △ 知事あいさつ 99 ◯議長(溝口宏二君) ここで、須賀知事から発言を求められておりますので、これを許可いたします。    [知事須賀龍郎君登壇] 100 ◯知事(須賀龍郎君) 今議会に提案いたしましたすべての案件につきまして、熱心に御審議を賜り、いずれも原案どおり可決していただきましたことに対しまして、心から厚く御礼申し上げます。  議決していただきました予算等につきましては、本会議並びに委員会の審議を通じて賜りました貴重な御意見、御要望等を十分踏まえ、その執行に全力で取り組んでまいりたいと考えております。  また、財政改革の推進につきましては、行財政改革特別委員会の御提言や県議会での御論議等も踏まえながら、財政改革プログラムの改訂を行ってまいりたいと考えております。  ことしは、梅雨前線の影響による大雨や台風などにより、各地で被害が発生いたしましたが、台風など災害が発生しやすい時期は、これからも続くことが考えられます。  県といたしましては、引き続き災害に強い県土づくりのための各種施策を積極的に進めますとともに、市町村や防災関係機関とも緊密な連携を図りながら、防災対策の充実に努め、県民生活の安全を確保してまいりたいと考えております。  さて、これから年末にかけまして、平成十六年度予算編成に向けての国に対します折衝は本格化してまいります。県といたしましては、今後行われます政府並びに各関係機関に対する要望活動の中で、極めて厳しい財政状況を踏まえ、地方税財源の充実確保や必要な社会資本の整備促進など県開発促進協議会の重点要望事項の実現に向けまして、一層の努力をしてまいりたいと考えております。  県議会の皆様方や県選出国会議員、県内各界の方々のこれまで以上の御支援、御協力を賜りますようお願い申し上げます。  終わりに、議員各位のますますの御健勝と御活躍をお祈り申し上げまして、閉会のごあいさつとさせていただきます。  まことにありがとうございました。(拍手)       ─────────────    △ 閉  会 101 ◯議長(溝口宏二君) 以上をもちまして、平成十五年第三回鹿児島県議会定例会を閉会いたします。         午後零時十五分閉会 鹿児島県議会 ↑ ページの先頭へ...